僕が高校の頃
母が引越しをするって言い出して
光明池の方で 35年ローンでマンションを買った
4LDKの当時では 大きなマンションだ
僕はなんの意見もなく引っ越した。
弟も僕も父もそれぞれ部屋があって
みんな とても喜んでた
それからしばらくして 父親の持病が悪化して
父は いつも部屋に一人で居るようになった
僕が学校から帰っても 父が部屋にいるのかどうかわからない
いつも 部屋の扉が閉まってた
おとうさん おるんやろか?
当時の僕は今から考えればまだ子供
少し気になっても 父に声をかけれなかった
母は僕がものごころついた時から働いてて
その時も働き続けてた。
父があまり仕事をしなくなって 両親の喧嘩が絶え間なく続いた
何年か後 マンションのローンを払うことが出来なくなって
マンションをでることになった
なんか夜逃げみたいに
毎晩 何回にも分けて引越しの荷物を運んだのを覚えてる
当時 まだ子供だったせいか 恥ずかしい気持ちはそれほどなかった
次に決まった借家は 6畳2間の小さなアパート
今まで4LDKで一人一人部屋があったのに
狭い部屋で どこに居ても誰かの顔が見える。
引越しが終わった夜 狭い部屋で みんなで枕を並べて 寝た。
電気を消して みんなで寝た。
しばらくすると 誰かの小さな笑い声が 聞こえた
僕も 枕を並べてた時から なんだか おかしかった
なんでだろ なんか おもしろい。
布団に入りながら みんなで笑った
みんな笑ってた。
普通だったら 悲しい 悔しい気持ちになるはずなのに
みんな笑ってる。
そうだよね。
手を伸ばせば 家族の誰かに触れることができる
これが幸せなんだって
その時 初めて思った。