静かな生活 | ドビュッシーの映画1000本ノック

静かな生活

3本目「静かな生活 監督:伊丹十三」(1995)


ドビュッシーの映画1000本ノック-静かな生活
【ストーリー】

絵本作家を目指すマーちゃんには、音楽の才に恵まれながらも障害を抱えた兄のイーヨーがいた。パパの海外転勤でイーヨーと弟のオーちゃんの面倒を見ることになり、てんやわんやとなるマーちゃん。そんな折、マーちゃんはイーヨーの水泳レッスンのコーチを買って出てくれた新井君にすっかり気を許してしまうのだが……。


【キャスト】

渡部篤郎

佐伯日菜子

山崎努

今井雅之

宮本信子


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エリザベス宮地のレビュー


総合評価:★★★☆☆


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 「静かな生活」って、本当にステキなタイトルで、本当にステキな生活だと思います。 「今のあなたの生活は静かですか?」と聞かれたら、別に公害や騒音に苦しめられているわけでもないのに「いいえ、騒がしいです。」と答えると思います。一体何が騒がしいんだろうと考えてみると、それは耳から聞こえる音ではなく、きっと胸です。胸が騒がしいのです。
 
 胸が騒がしい理由は二つあって、一つは「若いから」。そしてもう一つは「好きな人達といるから」です。まず、「若い」ということは「敏感」ということです。「敏感」とは何かというと「異性からのメールだけで勃起する」ということであって、それすなわち「想像力豊か」ということです。想像力豊かな人は心内静かではありません。たとえ相手がコートを着てセーターを着てシャツを着て下着をつけていたとしても、スッポンポンに見えるのですから。目に見えないものが見えているんです。全員霊能力者なのです。お祓いが忙しいことこの上ありません。ニーオナというお祓いが。
 次に「好きな人達といるから」という理由は私独特のものだと思いますが、早い話が“緊張しい”なのです。相手が男でも女でも、自分が好きな人だったら会うと緊張してしまいます。勃起してしまいます。皆さんもそうだと思いますが、基本的に遊ぶのは自分の好きな人だけなので、私の場合常に緊張しっぱなしです。常に勃起しっぱなしです。犬です。チワワです。ウレションです。とにかくもう、人と会うのが嬉しくてたまらない性格なのです。ご主人様~。
 
 そんな私にとって「静かな生活」はとても魅力的な生活ではありますが、実際にするとなるとまだ早い生活です。映画の中に登場する人達はどこか余裕があって、その余裕が静かな生活に繋がっていると思うのですが、私にはその余裕がありません。あと40歳くらい年をとって、緊張しいの性格も直ったら自然と送れるものだと思っているので、その時をゆっくり待とうと思っています。いまの騒がしい生活も大好きですから。

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J小川のレビュー


総合評価:★★★☆☆


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主人公の女の子がかわいい。

 

かわいい女の子を見るとついムラムラっと来る気持ち、男子は100%持っています。その絶望的なくらいに沸きあがってくる性欲と、我々は日々戦っているわけです。ここのところはなかなか女性には分かってもらえないところでしょう。でも現実です。「僕は女の子を見て欲情しません」なんて、言ってるヤツ(たぶん、さわやか系のイケメンでしょう)はとんでもない大犯罪者なんで一刻も早くそいつから離れてください。

僕も主人公の女の子、マーちゃんに対してムラムラしてしまったわけですが、この問題は厳しく考えなければなりません。本当に、絶望します。つらい。しかしそこをクリアしなければ「静かな生活」なんて送れません。

 

現代では「草食系男子」とか言って欲望を出さない男を若干バカにしてる的な風潮がありますが、とんでもない。エライですよ、草食系。自分の中の野獣を押さえつけているわけですから。ライオンに勝つシマウマ最高です。

 

自己の欲望に伴うシビアな問題を、ことさらに誇張するわけでもなく、避けるわけでもなく独自の視点で描いている伊丹監督はやっぱりすごいです。

 

しかし伊丹映画は唯一無二な感じがしますね。この独特な感じは、本編を観てもらわないと分かっていただけ無いでしょう。そして、2時間たっぷり観ないと、観る側もなかなかつかみ取れない。

 

そのせいか、短い尺で内容を伝えなければいけない予告編はまったく内容の違うものになっていて爆笑&失望してしまいました。なんか変な感動モノっぽくなってたり、障害者の話メインの映画みたいな感じになっていたり。伊丹監督キレたんじゃないの?

 

でももし、僕が映画本編を素材として渡されて、この映画の予告を仕事として(大多数に流す宣伝になるように)つくれ、と言われたら、ああいう感じにしてしまう気もします。映画の中の派手目のシーンだけが完全に切り抜かれてました。そして、本編以上に話が分かりやすかったw(内容は全然違うけど)

 

予告編がつくれない、というのがこの映画の魅力なのでしょう。


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