2011年アメリカ映画
原題は『 Extremely Loud & Incredibly Close 』( ほぼ邦題と同じ意味 )
【 監督 】スティーブン・ダルドリー
【 出演 】
トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、
マックス・フォン・シドー
【 ストーリー 】
アスペルガー症候群を抱える11歳の少年オスカーは、9・11テロの犠牲となった父親の遺品から謎の鍵を発見する。鍵の入った封筒の裏には『 BLACK 』という名前が、凝り性のオスカーはニューヨーク中のこの名前の人物を探し、父親との関連を調べ始める
この映画の主演はトム・ハンクスさん?、サンドラ・ブロックさん?
いえいえ主人公の少年を演じたトーマス・ホーン君( 当時13歳 )。
彼がこの映画の主役です
全く役者経験の無い一般の子。オーディションで選ばれました
いつも不安げに行動する凝り性な性格の少年
うるさい音や対人関係に恐怖を抱き、でも大人も驚くような知識も披露する
亡き父のことをもっと知りたいという意思を持ち、苦手だった事を克服しながら成長してゆく姿、オタクっぽいところなど微妙に自身の少年時代と重なるところもあり、見入ってしまいました
トム・ハンクスさんの出ている映画、随分観ましたが
主演では無く、途中退席( ストーリー上では死亡 )してしまう映画は初です
デンゼル・ワシントンさんと共演した『 フィラデルフィア 』でも死んでしまう役でしたが、あれは最後の最後
『 アポロ13 』のラベル船長、『 プライベートライアン 』のミラー大尉、『 ハドソン川の奇跡 』のサレンバーガー機長は沈着冷静なリーダー
『 グリーンマイル 』のポール看守、『 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のFBI捜査官はつい感情を表面に出してしまう少し短気な男
今回は発達障害っぽいオスカー少年の父親
ただ息子には人一倍愛情をかけている良き父親、この子共の成長にかける思いやりが随所に出てきて、ある意味理想の父親像として描かれています
この大スター、トム・ハンクス演じる理想の父親の命が一瞬にして奪われる
こういう手法であの9・11テロの酷さ、理不尽さや悲しみ、怒りを表現している・・・
そう感じました
サンドラ・ブロックさん、名前はよく知っていましたが実はあまり出演映画を観ていなかった。
観た映画を調べてみるとSF物の『 ゼログラビティ 』で主役を演じていましたがあまり印象が無かった
ほぼ僕と同い年ですが、どちらかといえば “ クールで冷めた女性 ” というイメージでした。こんな喜怒哀楽を出す母親役、ちょっと意外な印象
この映画の助演男優賞をあげるとすると、この方ではないでしょうか
どことなくジェームズ・コバーンさんを彷彿とさせるイメージの
マックス・フォン・シドーさん
あの『 エクソシスト 』で神父役を演じ、
『 勝利への脱出 』では連合軍の捕虜達に理解を示すドイツ軍将校を演じられました
なんとなく面影がある
今回は、オスカー君の祖母のアパートに間借りしている正体不明の人物。言葉を発せず常に筆談。途中からオスカー君の調査行脚に同行しますが、
実はオスカー君の祖父だった・・・というオチ
彼が声を発せなくなった訳にも悲しい歴史があり、最愛の息子( ハンクスさん役 )まで失い、息子の思いを繋ぎ、唯一の孫の成長を手助けする為に行動を開始した
そんな風にみえました
父親、母親、祖父の愛情に助けられながら、アスペルガー症候群の少年が成長してゆく姿と、あの9・11テロで心身ともに傷を負った人たちのその後の苦悩を織り交ぜたストーリー
酷い事件を背景に持ちながらも、この少年のひた向きで、凝り性な個性が微笑ましくもあり、あまり暗くない雰囲気で進行してゆき
最後に亡くなった父親からのサプライズもあり
傷を癒しながら前を向きへ進んでゆくニューヨークの人たちの想いが籠った映画です
この映画の長いタイトル
最後オスカー君が作った、調査探検をまとめた記録書のタイトルなんだそうです
気が付かなかったなあ