工藤俊作さん、この方は旧日本海軍の駆逐艦 雷 の艦長をされた方です

 

1942年3月、インドネシア、スラバヤ沖で交戦し海に投げ出された敵兵を救助し、その救助活動のことが戦後、救助された元英国海軍士官のサミュエル・フォールさんの行動によって私達の知るところとなりました

 

外交官となられたフォールさんはこの事実を書籍化し、世界中の人に知ってもらいたいと各地で講演もし、又、自身の人生の締め括りとして工藤さんに会ってお礼を言いたいと来日もされました。残念ながら工藤さんは既に亡くなられ、再会は果たせませんでしたが、海自の護衛艦四代目 いかづち にも招かれ、その後墓前で亡き工藤さんに献花もされました

 

この一連の模様は映像で観ることができますが、ご高齢のフォールさん、普段車椅子で生活をされているようでしたが、艦内へ招かれ出迎えの士官に敬礼をされる姿は、さすが元英国海軍軍人だと思わせるくらい凛としておられました

 

この人の想いは間違いなく私たちに伝わり、改めて工藤俊作さんの人格者たる側面に触れることが出来ます

 

工藤さんも元海軍軍人、戦後こういった行いも含め、家族にすら一切語られることなく墓場まで持って行かれました

 

この工藤さんの物語、あるテレビ番組でも取り上げられ、映像もあり、この映像を観るたびにいつも感涙してしまいます

 

わが国周辺の安全保障環境が戦後最悪の状況ではないんだろうかと感じる昨今、

一方で周辺国に対しいたずらに敵対心を煽るようなSNS上の投稿も多く見かけます。

こんな状況だからこそ、戦時下でも一貫して人の道を踏み外さず、武士道を貫いた工藤さんの功績を学校教育の現場でも取り上げて頂きたい。

 

そういえば、かの杉原千畝さんの事も僕らの世代は大人になってから知りました。

あえて政府(外務省)の命令に背いてまでもユダヤの人たちを助け、又、諜報員としても活躍された杉原さんは学校で教えるには不適切、とでも判断したんでしょうか

 

素晴らしい人格者は、職業や経歴に拘わらず道徳教育において子供たちに教え、伝え、語り継いで頂きたいものです、特に旧軍関係の方については一部の偏見に基づく思想があるのか、なかなか教わる機会がありません。

有名な首相経験者などよりも遥かに国に献身した方たちです

 

僕の少年時代、今は亡き祖父が語った言葉が忘れられません

祖父は海軍に徴兵され、戦艦 陸奥 に乗艦していました

『(旧日本)海軍にもっと力があれば、あの戦争は起こらなかったし、もっと早く戦争が終わっていた、あの戦争は負けてよかった 』