ライラック・・・・・
空き地での夕方。 夏草越えの家並みがシルエットで見えている
西空、夕日はすでにこの影の遥か かなたに沈む。ひと塊の雲が
わずかな日を受けて、「浅い紫の花色」に染まってゆく・・・
『 Lilac / ライラック 』 東欧南部原産の香りのよい春の花
リラとも言い、高貴な香りを街並みに与えてくれるライラックは、
今では「北海道の季語」らしい・・。ライラックが咲く頃に寒さが
戻ってくると、「リラ冷え」と呼ぶほどに関わりが深い花だと聞く・・
《写真:資料》
つゆくさ色の空・・、たなびく雲の上あたりに恥らうような「その色」
を見つけた。
何故に?・・・、花の名前など殆ど知らない筈だが、ふっとその名
が、脳裏をかすめる。その名は ライラック・・・
ちなみに、花言葉は「初恋の味」と、いわれる。
あるいは「片恋の花」ともいわれ、ライラックを身に着ける女性は、
結婚指輪を着けることはないという「ことわざ」もあるそうだ。
恥らうような色、花言葉が初恋の云々・・・、とは全く知らなかった
自然に、ありのまま感じた想いと一致していた。
ゴッホの手紙より・・・・・
「 地平線には青灰色の柳が数本、はるかかなたに赤い屋根の
圧搾所、そして遠くライラック色の影絵の町がある 」
2008.07.12