あの夜離れた手と手の間
吹き流れた隙間風
いつしか木枯らしへと変わり
もう繋がることはなかった


ぼくはきっと予想していた
この溝が拡がるだけだと
秋の色を重ねるたびに
またあの風を肌に感じて



060908

きみが咲かせようとする
その花こそがあでやかに
アスファルトさえ割り咲く
強さをもった野花のように


色鮮やかに店を飾る
誰もが眼を留めつむような
描かれるような花じゃなく
ただ空を目指せればいい


それこそがただひとつの
まぶしくて輝けるきみの花



060905

晴れ渡る空に幼い笑い声が響く
自転車に乗って坂道を駆け下りた
水音響かせはしゃいでた
取り戻せない穏やかな空間


辛い想いかさねて 人は大人になる
傷つけて傷ついて倒れながら


すれ違ったキミとの想い 行き先もなく
ほんの少しの勇気が出ないままに
しゃぼん玉がはじけ割れるように
七色に輝いたキミとの未来消えた



澄み切った夜に幼い吐息が触れ合う
自転車に乗って夜道を駆け抜けた
抱き寄せる腕が震えてた
刹那過ぎる穢れなき想い


あの日重ねかけたキスまでの数センチ
少しでも縮められていたなら…


最後にふれたキミの頬は突き抜ける程冷たく
この世の終わりを刻み付けた
しゃぼん玉のように空気に溶けて
七色に輝いたキミとの未来消えた


2003.6.11

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