わが子を保険給付金をせしめるための道具として使った母親のサイコパスぶりに激しい嫌悪感を抱きます。この母親は己のエステの費用に充てるために給付金をあてがったようです。
ただこの事件でもそうなのですが、いわゆる異次元の少子化対策の一環として、子育て支援としていくばくかのお金を給付するという方策ははっきり言って完全に間違っています。
というのも子供をカネに勘定する親が出てくるからです。
しかし少子化対策というのは金の問題なのでしょうか。数十年前の日本は今よりはるかに貧しかったものの、親は三人、四人の子供を汗だくになって育てていました。一人っ子は比較的少なく兄弟姉妹がたいていいました。でもその子供の数で、政府から金をせしめようという親などいませんでした。
私が比較的聞く価値があると思っているコメンテイターに門田隆将がいます。門田の国際感覚は取材に基づく発言、さらに分析力には学ぶところも多いのですが、その門田が「一人目に百万円、二人目に二百万円を給付する」と言っていました。竹田恒泰などはどや顔で「生まれた子供が稼ぐ生涯賃金を考えれば一人目一千万円、二人目二千万円、三人目三千万円を給付する」と言っていましたが、これは亡国論です。竹田は何度も「これどうですか?」と言っていますが愚かさの絶頂です。
門田にしても、竹田にしても生まれてくる子供が全員社会に貢献する立派な大人になり、その親はお金さえあれば子供に十分な教育ができるという前提で論じています。門田はこの問題ではリアリストではなくドリーマーです。
しかしながら現実は、左翼主義者の影響で人権を主張する割には、義務と責任の自覚のない人間を大量生産している現状では、そのお金は無駄になります。それどころかトーヨコやグリ下にたむろっている若い男女が6000万円欲しさに短期で3人子供を産んで後はネグレクトも平気でするが出てくるでしょう。
さらに先細りする経済環境で、まともに働いても十分な金を稼げないので、闇バイトに携わる若者も後を絶ちません。そのような人間は他人の財産を奪い取る人間たちですが、生まれたとき第三子というだけの理由で国税を3000万も使うなんてことをまともな顔をして主張する竹田の論は、これこそまさに机上の空論の典型的なものなのです。
少子化対策は子供を産んだらカネがもらえるというものでは怠け者を増やすだけで失敗するのは目に見えています。子供を産んでも教育費や医療費などの支払いを減免するという方向にもっていかなければなりません。それが安心できる世の中なのです。その意味で維新の少子化対策は合理的です。
子供の数で給付金をもらえる制度ではなく、いくら子供を産んでも生活で貧困を経験しないでいられるという制度が求められるのです。