2か月前の話題になりますが、六代目円楽が逝去しました。その時に思ったことは、やはり落語界の衰退です。
普通漫才師が亡くなると、追悼の意味を込めてかつてのネタを放映したりします。しかし円楽を偲ぶ特集や番組はすべて笑点での円楽の一コマでした。
実際円楽の落語をテレビで見たことは一度もありません。円楽だけではありません。笑点メンバーの落語はテレビで一度も見たことがありません。ですから噺家としての実力はよくわかりません。YOUTUBEで円楽の落語を見ましたが、正直言ってそれほどうまいとは思えませんでした。普通だなという感じです。
最近は第7世代とか言って若手漫才師やコント芸人がよくテレビに出ていますが、落語家はいません。これは各人に割り当てられた時間が3分程度ですので、落語のようにじっくり時間をかけて笑いを取る芸には不向きなのでしょう。
昔は上方落語の笑福亭松鶴、笑福亭仁鶴、桂米朝、5代目桂文枝などの落語は10分以上でも聴かせるものでした。個人的には仁鶴の落語が一番好きでした。「道具屋」は爆笑でしたね。
笑点は今の時代にあって噺家たちが着物を着て大喜利に出ますが、それでも本業の落語を聴かせることはありません。大喜利の前半のいわゆる演芸のコーナー比較的時間を取れるのに、笑点メンバーは出ません。テーマ音楽を3回も流して尺稼ぎをするくらいなら、その時間を演芸に回して笑点メンバーの落語を聴かせる企画くらい通せばいいのにと思いますね。
結局テレビで落語を放送することは、早朝などでゴールデンタイムではありませんね。どれもこれも似たようなネタで最後は「もうええわ」で終わる若手漫才師の5組ぐらいをカットしても噺家の落語を聴きたいものですが、そこまでの噺家がいないということもあるのかもしれません。