みなさん、お久しぶりです。針戸です。ログ風ではございますが、完成しましたので、投稿します。いつもとは形が違いますが、楽しんでいただけると幸いです。かなり短いのでシナリオの配布もここで行いたいと考えております。それでは、どうぞ。

 

 

cocリプレイ「ミザリー・ロウワー」

 

【登場人物】

  • 拝島 蓮(HO1): 冷静だが情に厚い。密の変化を誰よりも心配していた。
  • 橘 薫(HO2): 繊細な感性を持ち、密を深く理解しようとする女性。
  • 陣内 鉄平(HO3): 熱血で行動派。真っ直ぐな拳と言葉で仲間を鼓舞する。

第一章:灰色に沈む館

降りしきる冷たい雨の中、陣内が運転する車は山奥の舗装されていない道を進んでいた。

目的の地は、かつての親友であり天才芸術家――最上 密が一人引きこもる館。

拝島: 「最上から……『僕の最高傑作の完成を、君たちに見届けてほしい』か。最近は連絡も途絶えていたっていうのに、一体なにを考えているんだ」

橘: 「文面はいつもの密くんらしいけれど……なんだか胸騒ぎがするわ。彼の描く絵、最近どこか破滅的だったでしょう?」

陣内: 「固いこと言ってねえで、行ってみようぜ! 久しぶりにあいつの顔も見たいしな。おい拝島、橘さん、着いたぞ!」

車窓の向こうに現れたのは、雨の中に聳え立つ異様な雰囲気の洋館だった。まるで世界全体の色彩が奪われ、全体が「灰色」に塗り潰されていくかのような錯覚を覚える。

館の重々しい扉を開けると、そこは静まり返った吹き抜けのエントランスホールだった。

中央には、不気味なほど巨大な灰色の砂時計が鎮座している。サラサラと落ちる砂の音だけが響く中、奥の階段から足音が近づいてきた。

最上(怯え): 「やあ……来てくれたんだね、みんな……」

陣内: 「密! お前、すげえ顔色悪いぞ!? ちゃんとメシ喰ってんのか?」

痩せこけ、怯えたような目で3人を見つめる最上。しかし次の瞬間、その背後の陰から――まったく同じ顔をした「もう一人の最上」がゆっくりと姿を現した。

最上(冷静): 「フフ……何を驚いているんだい? 僕の新しい『最高傑作』の誕生を祝ってくれるんだろう?」

橘: 「え……? 嘘……最上くんが……ふたり……!?」

拝島: 「なっ……! どういうことだ!? 幻覚か、それとも鏡の仕掛けなのか!?」

KP: まったく同じ姿、同じ声。しかし片方は敗北と死の恐怖に怯え、もう片方は狂気じみた傲慢な笑みを浮かべている……。異次元の現象を目の当たりにしたあなたたちは、背筋が凍りつくような恐怖に襲われます! sanc1/1d3です!

第二章:壁の向こうの真相

ふたりの最上は謎めいた言葉を残して姿を消した。

異様な恐怖を抑え込み、探索を開始した3人は、館の異質な構造と壁の中に隠された空洞を発見する。

壁を壊し、その奥へと足を踏み入れた3人が目にしたのは――胸を自ら切り裂き、肉体が完全に「灰」と化して息絶えている、本物の最上密の遺骸だった。

陣内: 「おい……嘘だろ……? じゃあ、さっきのふたりは……!?」

灰の山の中に残されていた遺言状。拝島がそれを手にとり、震える声で読み上げる。そこに記されていたのは、あまりにも切なく凄惨な真相だった。

拝島: 「密は……魔術の代償によって、魂がふたつに引き裂かれていたんだ。『敗北と死を恐れる灰色』と、『芸術への傲慢さを抱く理想』……。あのふたりは、密の歪んだ魂が生み出した『砂の分身』だったんだよ」

橘: 「そんな……密くん、一人でずっと苦しんでいたのね……」

拝島: 「……続きがある。『ふたつの歪みが混ざり合うと、取り返しのつかない怪物と化してしまう。どうか僕を終わらせてほしい。怪異を倒す唯一の手段は、冷酷な僕の胸の奥に埋め込まれた――本物の、まだ温かい心臓を撃ち抜くことだ』……!」

陣内: 「……任せろ、密。お前をそんな苦しみから、俺たちが解放してやる!!」

 

第三章:狂乱の決戦

真相を知った3人が中央ロビーへ戻ると、狂乱したふたりの最上がお互いの肉体を貪り食うように一体化を始めていた。

巨大砂時計がけたたましい音を立てて破裂し、灰色の大砂嵐が吹き荒れる。

現れたのは、背中合わせに二つの顔を持つ、無数の灰の腕を生やした『灰人形の怪物』だった!

KP: 戦闘開始です! 怪物の急所である『冷酷な密』の胸元(本物の心臓)を狙う場合、激しい砂嵐のため〈急所狙い:-20%補正〉がかかります!

拝島: 「くっ……! 砂嵐で視界が悪すぎる……!」(攻撃失敗)

橘: 「きゃあッ!? 舞い散る砂で手元が……!」(攻撃失敗)

陣内: 「しまっ……! 灰の腕が邪魔で届かねえっ!!」(攻撃失敗)

KP: 全員失敗! 怪物は急所を守り切り、背中合わせの二つの顔で狂気じみた高笑いをあげます!

『灰人形の怪物』:

「「ハハハハハ! 届かないよ! 君たちの浅はかな『友情』も何もかも、この灰色の現実の前には届かないんだ!!」」

KP: 怪物のターン! 激しい爪の一撃が拝島さんを襲います。判定は……【05】スペシャル!ダメージ倍化で 14ダメージ!

拝島:「回避だ!回避!」 〈回避〉成功値30→61【失敗】

「ガハッ……!? 14ダメージ……!?(胸を深く切り裂かれ、血の海の中に崩れ落ちる)」

橘: 「そんな……拝島さん! いやぁぁッ!!」

陣内: 「拝島ぁぁぁッ!!」

怯えた顔が冷静な方の胸を切り裂き、怪物の表面が崩れ落ちた(怪物に1ダメージ)。

意識が遠のく中、拝島は陣内の服の裾を強く掴む。

拝島: 「ガハッ……! 陣内……応急手当を頼む……! 僕は、まだ……死ねない……!」

第四章:絆の逆転劇

陣内: 「拝島、動くな! 手当なら俺がやる!!」

KP: 陣内さんのターン! 〈応急手当〉60%の判定です!

陣内: (ダイスを振る)……よし、成功!

KP: 回復量は【2】! 陣内さんの迅速な止血により、拝島さんは正気を保ち、耐久力回復で踏みとどまりました!

拝島: 「ハぁッ……! すまない陣内、助かった……! 奴の動きを見ろ、さっきのヒビから砂が溢れて体勢が崩れている!」

橘: 「陣内くんたちが手当をしている間、怪物には私が隙を見せないわ……!」

橘が果敢にナイフを構えて飛び込むが、間一髪で攻撃は空を切る。

焦った怪物は狂乱し、無数の腕を力任せに振り回した。――その時!

KP: ダイス判定……あっと、自らの振るった腕が怪物の顔面を直撃! 自爆で1ダメージ! 体勢が大きく崩れ、胸元の急所が露わになります!

拝島: 「な……自爆しただと!?」

陣内: 「今だ!! 奴の体が崩れかけて隙だらけだぞ! 拝島、橘さん、畳みかけるぞッ!!」

 

第五章:破滅の18ダメージ

KP: 怪物の体勢が完全に崩れたため、急所狙いの補正を -15% に緩和します! 攻勢のチャンスです!

拝島: 「補正が緩んだ……! ブレない……今度こそ捉える!!」(急所狙い失敗)

橘: 「密くん……あなたをもう、一人にはさせない……!」(急所狙い失敗)

拝島と橘の決死の連携が怪物の灰の腕を弾き飛ばし、胸元へ続く射線を完璧にこじ開ける!

陣内: 「うおおおおッ!! 密、俺たちの声を、拳を聞けぇぇぇッ!!」

全身の力を右脚に注ぎ込み、陣内が踏み込む。

その足先は舞い散る灰を切り裂き、『冷酷な密』の胸元――その奥深くに埋め込まれた「本物の、温かい心臓」を寸分違わず正確に穿った!

KP: 3人の渾身の攻撃……見事に命中! 正確に怪物の温かい心臓を刺し貫きました! 陣内さんの〈キック〉(1d6)のダメージは……急所特大ヒットとして3倍にします! ダメージロールです!

陣内(HO3): おっしゃあぁぁ! 1d6振ります……出目は【6】!!

拝島・橘(PL): 「「6!!??」」

KP: 3倍して……18ダメージ!!!

陣内(HO3): 「死ねぇぇぇぇッ!! 密ぃぃぃぃッ!!」

終章:朝焼けと万年筆

ドカァァァンッ!!

18という絶大な衝撃が怪物全域を駆け巡る。

胸の奥でドクンと大きく波打った心臓が粉々に砕け散り、背中合わせの二つの顔から同時に眩い灰色の光と血の混ざった砂が噴き出した。

『灰人形の怪物』:

「「あは……これでやっと……濁らない灰色になれたね……」」

ふたつの声が綺麗に重なり合った、どこか救われたような切ない呟きを残し――

怪物はサラサラと音を立てて崩れ去り、ただの静かな「灰」の山へと還っていった。

砂嵐が嘘のように収まった静寂の中、灰の山の上にぽつんと残されていたのは、最上が生前に愛用していた一本の万年筆だけだった。

拝島がそれを静かに拾い上げ、3人は崩れかける館を脱出する。

外へ出ると、いつの間にか激しい雨は上がり、雲の切れ間からやわらかな朝焼けの光が差し込んでいた。

しかし、3人の脳裏には、密が最期に遺した問いかけがいつまでも重く響いていた。

(お前たちも、本物のフリをして生きているんじゃないか?)

自分たちは何者になれるのだろうか。

胸の奥に残る心地よい破滅の余韻と、一抹の切なさを抱きしめながら、探索者たちはそれぞれの待つ日常へと帰るのだった。

【クトゥルフ神話TRPG『ミザリー・ロウワー』 —— シナリオクリア】

 

実はこのシナリオは「ヘッドライトの先に、君の朝を。」よりも前に書いた古い方のシナリオだったりするんですよね。なので、かなり思い入れのあるものです。このシナリオにはオリジナルの呪文が少し関わってきます。使ったり習得するなどはないのですが、もし気になるところがあればコメントで教えてください。「ヘッドライトの先に、君の朝を。」に関する質問もどうぞ。

以下シナリオです。興味があると言う方はぜひ回してください。

 

Coc6版「ミザリー・ロウワー」

 

 

■ シナリオ概要
システム:クトゥルフ神話TRPG(第6版)
舞台設定:現代日本・雨の降る寂れた洋館(クローズドサークル)
推奨人数:3人固定
想定プレイ時間:ボイスセッションで1.5〜2時間
推奨技能:『目星』『聞き耳』
HO1専用:『図書館』『心理学』
HO2専用:『医学』または『生物学』、『芸術』または『製作』
HO3専用:『戦闘技能(近接・遠距離問わず)』『回避』
 
■ 公開ハンドアウト(HO)
 
探索者たちは共通の友人である人形作家であり絵描きでもある「最上 密(もがみ ひそか)」に招かれ、彼の洋館へ向かっている。しかし、各自の胸中にはそれぞれ異なる「違和感」と、最上への想いがあった。
HO1:【剥がれ落ちた記憶】(情報分析・探偵役)
あなたは昨日、密から**「助けてくれ、本物になれなかった出来損ない(偽物)が僕を殺しに来る」**という悲痛な電話を受けた。彼の才能を誰よりも評価し、理性的に見守ってきた人物である。
HO2:【形作られた器】(肉体調査・フェティシズム役)
あなたは3日前、密から手紙をもらった。そこには**「ついに完成した。僕の最高傑作、何者にもなれない僕を救う“自動人形”を見てくれ」**と狂気的な筆致で書かれていた。彼の造形美、その肉体的な表現に強く惹かれている。
HO3:【衝動の引き金】(前衛・戦闘役)
あなたは1週間前、密がアトリエで**「どれだけ足掻いても、僕の絵も人形も灰色だ。本物には届かない。もう全部終わりにしたい」**と涙を流しながらキャンバスを切り裂いていたのを目撃している。彼の破滅的な衝動を止めたいと願っている。
 
 
1. 導入:双子の歪論と砂の音
激しい雨の中、探索者(以下、PC)たちは山奥にある最上の洋館へ到着する。
館に一歩足を踏み入れると、ロビーの中央には「巨大な砂時計」が静かに時を刻んでいる。その砂は不気味なほど濁った「灰色」をしている。
エントランスの奥には、「まったく同じ顔、同じ服装、同じ声をした2人の“最上 密”」が並んで立っている。一人は恐怖に怯え、もう一人は冷酷に微笑んでいる。2人はPCたちを見ると、同時に口を開く。
怯える密:「ああ、来てくれたんだね! 助けてくれ、そいつは僕の才能の泥から生まれた化け物(人形)なんだ! 僕を殺して本物に成り代わろうとしている!」
冷酷な密:「見苦しいよ。僕の最高傑作が、自分が本物の芸術家だと思い込んで狂ってしまったんだ。……さあ、僕の数少ない理解者である君たちの手で、どちらが“本物の僕”か、証明してほしい」
 
2人の密への『心理学』:
成功した場合、「どちらの密も、自分を『本物』だと狂信しており、同時に相手に対して激しい嫉妬、劣等感、そして共依存の執着を抱いている」ことがわかる。まるで鏡に向かって自己嫌悪をぶつけているかのようだ。
デスクの上の砂時計はサラサラと音を立てて落ちていく。「その砂時計が落ちきる前に、僕らの秘密を暴いて、終わらせてくれ」と2人は告げ、自身らはこの場に留まる。PCたちは「書斎」と「工房」の探索を開始する。おおよそ2時間ほど
 
2. 探索フェイズ(目標時間:60分)
① 最上の書斎
壁一面の本棚には美術書や哲学書が並んでいるが、その多くが床に引きずり出され、引き裂かれている。部屋全体が「才能に絶望した人間の八つ当たり」の痕跡に満ちている。
 
『目星』または『図書館』の成功:デスクのちぎられた紙クズの中から、真っ黒に塗りつぶされたノート(日記帳)を発見する。
【最上の日記】
「○月×日
どれだけキャンバスを彩っても、どれだけ造形しても僕の手から生まれるものはすべて、濁った灰色で空虚なものだ。天才たちの『本物の色彩』に、僕は一生届かない。
ならば、僕のすべてを注いだ完璧な複製を作ろう。古書にあった『魂の二分魔術』。これを使えば、僕の理想を体現する本物が手に入るはずだ。
(――数ページ進むと、文字の筆圧が異常に強くなり、激しく歪んでいる)
△月○日
おかしい。ここ最近のことが記憶が抜け落ちたかのように思い出せない。それに……いつからだろう。下半身の感覚がまったくない。どれだけ強く脚を針で突き刺しても、血の一滴すら流れないんだ。まるで、冷たい陶器か、あるいは乾いた砂の塊にでもなってしまったかのように。魔術はもう、始まっているのか?
本棚の裏のギミック(『目星』成功):レバーを発見する。それを引くとデスクの隠し底が開き、羊皮紙の断片が見つかる。
【魂の二分魔術の代償】
「……魂を二つに分かちて器に注ぐ時、オリジナル(本物)の肉体は、その生命の灯火を失い、崩れ落ちてただの灰と化す。
器に宿りし二つの魂は、己が本物たるを証明せんとして、互いを貪り食うだろう。二つが再び混ざり合う時、それは美しき『灰被りの怪異』となる。
怪異を滅ぼすには、その内に隠されし“本物の心臓”を穿つべし。心臓のある側こそが、生前、彼が最後まで手放せなかった執着の象徴である」
 
② 人形制作の工房
薬品の強烈な臭いと、油絵の具の匂いが混ざり合う空間。部屋の奥には、白いシーツがかけられたショーケースが並んでいる。
 
『目星』または『医学』の成功:
シーツを剥ぎ取ると、最上に酷似した、しかし皮膚がまだ蝋やシリコンの未完成の人形がある。その関節には、本物の人間の髪の毛や爪が植え込まれており、床には「灰色の粉末」が点々と一方向へ引きずられたように落ちている。
(SAN値チェック:0/1)
新しいレンガの壁(『目星』または『アイデア』成功):
灰色の粉末を辿ると、不自然に新しく積み直されたレンガの壁に突き当たる。ここを壊すか隙間を覗き込むと、壁の空洞の中に、「胸を自ら切り裂き、肉体が完全に『灰』となって崩れ去っている最上密の遺骸」を発見する。服だけが灰の山に残されている。
(SAN値チェック:1/1D4)
その灰の山の中に、PC3人に宛てた手紙(遺言状)が埋もれている。
【最上の遺言】
「僕の親愛なる友人たちへ。
これを目にしている時、本物の僕はもうこの世にはいないだろう。僕の肉体は魔術の代償で、何者にもなれない虚無の灰へと変わっているからだ。
僕の魂は真っ二つに割れた。
片方は、僕の『才能への敗北、死への恐怖』を詰め込んだ、醜く怯える僕(灰色)。
もう片方は、僕の『芸術への傲慢、理想の天才』を詰め込んだ、美しく冷酷な僕(虚飾)。
彼らは互いを本物だと思い込み、殺し合う。だけど、秘密が暴かれ、2つの歪みが限界を迎えて混ざり合ってしまったら、それは悍ましい怪異となる。
どうか、僕の生み出した偽物を、君たちの手で終わらせてくれ。
もしも彼らが1つに融合してしまったら、僕の『理想』の胸の奥を狙え。そこに、僕が最期に人形へ託した、本物の、まだ温かい心臓が埋め込まれている。
理想の中にしか、僕の生きた証はないからだ。僕を、どうか、終わらせてくれ――」
 
3. 解決フェイズ:限りなく灰色へ(目安20分)
PCたちが中央広場へ戻ると、砂時計の砂は残りわずかとなっている。2人の密が期待と狂気に満ちた目でPCたちを見つめる。「さあ、どちらが本物か、分かったかい?」
PCたちが真相(「どちらも本物はいない、お前たちは灰から生まれた偽物だ」)を突きつけると、2人の密の顔が同時に、陶器がひび割れるようにパキパキと音を立てて崩れ始める。割れた隙間から溢れるのは血ではなく、サラサラとした「灰色の砂」である。
怯える密:「あはは……! そうだよ、本物の僕はもう灰さ! 才能のない、空っぽの灰だ!」
冷酷な密:「だけどね、気づいちゃいおしまいなんだよ。僕たちは、2人でひとつじゃなきゃ、この灰色(世界)に形を保つことすらできないんだから」
2人の声:「さあ、答え合わせをしよう。触れたら壊れる、僕たちの本当の姿を。
君たちだって同じだろう? 何者かになりたくて、本物のフリをして、足掻いて、濁っていく。
お前たちも、僕らと同じ『灰色』じゃないか――!!」
2人は激しく抱き合い、お互いの肉体を壊し、貪り食うようにして一体化する。背中合わせに2つの顔(怯えと冷酷)を持つ、無数の腕が生えた「灰人形の怪物」へと変貌する。エントランスの巨大砂時計が激しく破裂し、部屋全体に灰色の砂が舞い散る中で、最後の戦闘が開始される。
 
4. 戦闘フェイズ:『鏡合わせの輪舞曲』(目安20分)
■ エネミー:最上 密(融合体)
 
STR: 15 / CON: 18 / DEX: 14 / 耐久力: 26
装甲:2ポイント(硬質な陶器と灰の外殻。通常攻撃が通りにくい)
攻撃:『鋭利な人形の腕』45%:ダメージ 1D6+1D4(1ラウンド2回攻撃)
特殊能力:【共依存の自傷(葛藤)】
ラウンドの終了時、怪物自身が「怯える顔」と「冷酷な顔」で互いを罵り合い、爪で引き裂き合うため、自動的に耐久力を装甲を無視して毎ラウンド「1ポイント」減少する(砂のように崩れていく)。
★ 戦闘ギミック:『理想の心臓』を穿て
PCは自分の手番の際、攻撃の代わりに怪物を詳細に観察することができる。
 
『目星』のロール(HO2など):
成功すると、激しく蠢く怪物の「冷酷な顔の胸の奥」に、ひび割れた陶器の隙間からドクドクと脈打つ本物の人間の心臓が露出する瞬間を見抜く。
コアへの精密視撃(HO3の見せ場):
弱点を見抜いた後、そのコアを狙って攻撃(命中率に一律 -20% の補正)を命中させた場合、怪物の装甲を完全に無視し、ダメージは3倍となる。
 
5. 結末(エンディング)
■ クライマックス撃破(グッドエンド)
怪物の耐久力を0にする、あるいは自傷行為によって怪物が完全に崩壊した場合。
怪物は「ああ、これでやっと、濁らない灰色になれたね……」と、2つの声が重なった切ない声を残し、サラサラと音を立てて、1山の「灰」へと還っていく。後には、最上が愛用していた一本の万年筆だけが残される。
PCたちは館を脱出する。雨が上がり、灰色だった空から朝焼けの光が差し込む中、PCたちの脳裏には、密が残した言葉がリフレインする。(お前たちも、本物のフリをして生きているんじゃないか?)
自分たちは何者になれるだろうか。そんな心地よい破滅の余韻(狂気)と、一抹の切なさを抱えながら、探索者たちはそれぞれの日常へと帰るのだった。
 
クリア報酬:SAN値回復 1D6
 
■ 時間切れ/全滅(バッドエンド)
PCたちが全滅するか、リアルタイムで2時間が大幅に超過した場合、館全体が灰色の砂で満たされ、PCたちもまた最上の「灰色の人形のパーツ」として、永遠にその館に取り込まれることとなる。
 
結末:キャラクターロスト
 

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」