久々にコッチにアップ。

山の日SP

みんな気付くかなあ?w

 

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毎日が穏やかに過ぎていく。
智くんと付き合いだしていつのまにか2年も過ぎた。
俺らは今、ひとつ屋根の下に暮らしている、、、には間違いないが
一緒に暮らしている訳ではない。

自分ひとりでは妻と鉄壁と暮らしていた一軒家をもてあまし
智くんの住む部屋で一緒に暮らそうとしていた。
俺と智くんはもちろん、智くんの娘のさっちゃんも乗り気だったのだけど
思いがけず、鉄壁の反対にあい、結局は同じマンションの別部屋で暮らしている。

「さっちゃんのお父さんになっちゃうの?僕はもういらない子なの?」

まさか、そんなこと言われるとは思わなかった。
もちろん否定はしたがこの件に関しては鉄壁は絶対にうんとは言わなかった。
元々住んでいた家が他人に渡るのはもしかしたら嫌がるかとも想定していたけど
これはまったくの予想外で驚いた。と、同時に、正直ちょっと嬉しくもあった。
それだけ俺を父親として慕っていてくれるということなのだから。
親の都合で離婚してしまった負い目もあれば不安もあった。
俺が父親だというのはずっと変わらないと言ったものの
離れて暮らすようになれば自然と気持ちは離れていくのだろうと思っていた。
今年、小学生になり環境も変わったことだし尚更に。

頑としてOKしない鉄壁に困る俺を見て
智くんは「他の階ならいいか?」と鉄壁に言ってくれた。
きっと俺の気持ちも鉄壁の気持ちも汲んでくれたんだと思う。
そういうおおらかな優しさをもつ智くんが好きだ。

最上階の智くんの部屋の間取りよりもコンパクトな4階下の部屋に住む。
これで良かったのだと思う。
よくよく考えてみれば高所恐怖症だし。
1階上には松本先生の住む部屋もあるし、なんだかんだ助けられている。
料理教室に通い始めてから俺の人生、大きく変わったといえる。

「なに考えてんの?ボーっとして。」

缶ビールを俺に差し出し智くんがふにゃりと笑う。
あなたとのことだよ、と答えればさらに嬉しそうに笑って頬にキスをくれた。
今日は2人きり。俺んちで明日も休みだしのんびりと晩酌を楽しんでいる。

「いやー、ニノには感謝だわ。」

二宮さんのおばあさんの家の近くでわりと大きなお祭りがあるらしく
さっちゃんも一緒にと誘ってくれたのだ。
今さら1人増えたとこでどうってことないよと笑う相葉さんに
うちの鉄壁もどう?と誘われお言葉に甘えた。
それなら俺も行ったほうがいいんじゃと聞けば
二宮さんが「大人は定員オーバーです。」とニヤリと笑い
「素敵な夜を」などとこっそり耳打ちしてきたのだ。

お互い関係性を知っているとはいえありがたくも照れくさい話だ。
二宮さんはそうとは言わないものの、養子の件で俺が世話したのを未だに
感謝していてくれているらしい。

というわけで。2人きり!!実はとても久々でありがたい。
意識するなってのは無理な話で、やっぱ今夜は、、、などと考えてしまう。
ちらり、智くんを見れば美味しそうにビールを飲みつまみに手を伸ばしてる。
キレイな指だよなあ。あの手がいつも俺を、、、
ああ、いかんいかん。すぐに頭がそっちにいってしまう。
話だってしたいのに。さっちゃんがいるとできないような大人の話、、
大人の話ってなに!?養育費とかそんなんじゃないよね。
元々言葉数の少ない智くん。いつだって話すのは専ら俺の方。
そこに不満などないのだけど。今夜はどうしても言葉に詰まってしまう。
俺から誘うなんてできるわけないし。