それから幾日かして、ようやく俺たちは『そこ』に辿り着いた。
凄まじい砂嵐の中に佇む崖の上の要塞。
周りは救える手立てのないカラカラピープルが列挙している。
これは、ちょっと、、いや、かなり大変そうだ。
倒して倒して突き進んで行くと、ひとり異彩を放つ
カラカラピープルではない邪悪なる者が現れた。
それはいくつもの形を成し分かれ増えて行く。要塞はもうすぐそこ。
あの崖を登れば辿り着く。

「ここは俺に任せろよ。」

あんなに姫♡姫♡と言っていたMJ-Ⅱがギラギラした目で
得意のスタンガンにカプセルを補填し早速そいつをぶっ放した。
その言葉に甘え、俺とBIG-NOは更に『そこ』に近づけば、また邪悪なる者。
今度は大きく伸び形を変え俺らを取り囲むようにして立ちはだかった。

「AYBER頼む。行ってくれ。」
「え、でも、、、」
「俺じゃあの崖は登れない。」

そうだ。BIG-NOの作られた腕では…。
俺なら。ハイパーニンジャの俺ならあの崖くらいは容易いのは確か。

「分かった。絶対に助ける!!」
「これをニノに。そしたら俺って分かるから。」

預けられた何かをポケットに押し込み俺は走り崖を登った。
背後でBIG-NOのビッグアームが凄まじい音をたてた。
決して簡単な道のりではなかった。崖を登り要塞の入り口には邪悪なる者。
中に入っても次から次へと。
とにかく救出を一番に身を隠すようにして上へ上へと急ぎ
ついに辿り着いた最上階で目にした光景に俺は目を疑った。

だって、鉄柵に囲まれた部屋の向こうには
ソファに横たわりお菓子を食べながら暇そうに書物を読んでいる女の子。
え?あれ?えっと、囚われの姫ってこういうのだっけ?
すぐ傍らには監視なのか男がいるし確かに軟禁状態ではあるんだろうけど…。

「ん?誰?」

こちらに気づいた彼女がもぐもぐしたまま問いかけてきた。
彼女の横にいた男は、その言葉に鋭く振り返ったけれど、
彼女以上に頬をぱんぱんに膨らませ必死で咀嚼している。
うん、そりゃさ。そんだけ食べ物詰めてたらしゃべれねーよ。

「ええっと。俺はBIG-NOの友達?つか仲間でぇ、えっとニノ?」

「ああ!兄さんの?うん、そう。俺ニノ。やっと助けに来てくれたんだ。
もう、ここ暇でさあ。良かったー。」




にっこり笑った彼女は口元に食べカスついてたけど、それはそれで可愛い。
いやいや、そうじゃなくて。

「で、兄さんは?」
「あ、えっと。外で戦ってる。」

「ああ、そう?じゃ、とりあえずあんたに着いて行けばいいのね?」
「え、あ。うん。あ、そうだ、これBIG-NOの知り合いって証拠…。」

「ああ、いいよ。そんなの。めんどくせーし。」

めんどくせーって。なんかさっきから可愛い顔して口悪ぃなあ。
呆然と見てる俺の前でニノは腕を男に引っ張ってもらって身体を起こすと
首をコキコキ鳴らして、なにやらリュックに物を詰め出した。

「じゃあ、行こうか。」
「え、あ、うん。」

でも、ここ一応鉄柵に囲まれてるしどうやって出るの?と思ったら
普通に男が鍵を取り出し解錠した。
えー?なんか違くね?姫を救出ってこうゆうんじゃないよね。
てか、男の人も当たり前についてきてるんだけど見張りじゃねえの?

「あ、ショウちゃんはね。スパイなんだって。でも、もう用済んだし
一緒に俺らと来るって。賢いし絶対に役にたつよおー。」

「どうも。Cherry shoです。政府のスパイやってます。
もう奴らの情報収集は済んだのでお供します。」

「はぁ。えっとAYBERです。よ、よろしく?」

紳士的なスマイルで手を差し出され握手する。なんか調子狂うなあ。
まあ、いいか。助けられたし。
とはいえ、呑気でいられたのはここまで。帰りは帰りでやっぱり邪悪なる者がいっぱい。
ショウちゃんと一緒に戦うなり隠れるなりしてとにかく外を目指した。
途中「もう歩けな~い。」と言い出したニノをおんぶして
崖を降りれば俺の背中でキャッキャとはしゃいでる。
いや、まあ。可愛いけどね?
俺の首に後ろから絡み付く白い腕がやわらかくて変な気分になりそうだけど。
耳に時折かかる息にゾクゾクしちゃうけど。
ああ、これは。MJ-Ⅱ見たら大変なことになるよなあ。
そう思ったのに。
ふたりと合流してみればMJ-Ⅱはなぜかショウちゃんに夢中になり
その上、BIG-NOまでもがニノそっちのけでショウちゃんを口説きだした。

「絶対に兄さんの好みだと思ったんだよね~。」

言いながらBIG-NOに褒美をせがむニノ。
えっと、キミは囚われのお姫様じゃなかったっけ?
なんか「アイツは止めた方がいい」って
BIG-NOが言っていた意味が分かった気がした。

「んふ。俺はあんたが好みだけどね?」

そう言って俺の胸に人差し指をツン、と立てて可愛い顔視て上目遣い。
そんなんされたらさ。俺も男ですから。
ニノの可愛い唇に自分の唇を寄せ細く白い首筋に指を滑らしちゃうよね。
で、もちろん。服の中におジャマしまーす。

…あれ?
えっと、、、んん?もしかして、えっと、、ひんにゅ、、、

「ちげぇよ。俺、男だし。」
「へ?だって妹って、姫って…」

俺、別に貧しいおっぱいも嫌いじゃねえよ?
そりゃあるにこしたことはないけど。

「だから男だってば。家庭の事情で女のふりしてんの。」

それってどんな事情?
でも、まあいいか。俺もニノ好みだし。
混沌たるこの世界。男とか女とかさしたる問題ではない。
どう考えても我が侭なこの姫に振り回されるだろう未来が予見できようと
そんな事はきっとほんのささいなこと、、のはず。

渇いた世界に潤いを。
うるうるの薄茶色の瞳の奥に宿った怪しい光に吸い込まれ
俺は潤いに満ちた姫を手に入れた。



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はい、ふざけたー!!!笑
いや、だって。SFとかRPGとか異世界とか馴染みないんだもん!
これがまめみやの精一杯です。
ま、ちょっとでもクスリと笑っていただけたなら幸いです。
きっとリクエストくれた人はもっと「カッコイイ」を
想像してたと思うんだけどね。すいませーん。
同じく「パズドラ」ってリクもあったけど、メッツかどっちかだなと
メッツ選んじゃった。だって、メッツのが世界観確立しててストーリー
なんとかたてられそうだったんだもん。

現場からは以上です。←最後までふざけるw