リクエスト企画1-メッツCMの世界-


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枯れ果てた大地と干涸びた人間が増幅しているここメッツシティ。
それらを再び潤すため、生き返らせるため。
奪われたものを全て奪い返さんと俺たちは今日も戦っている。
同じ目的を果たすため、いつの間にか合流した仲間。
共に戦うようになって幾月がたったろう。
それでも、まだ。大地も人もカワイテル現状。

身の上話を語る事もなく知るのはただ互いの名前のみ。
ソレも便宜上のことだけだ。
だけど馴れ合う事はなくとも戦ううちに芽生えるなにか。
友情?絆?そんなことはどうでもいい。
ただ目的の為に俺たちは行くのだ。諸悪の根源の元に。




合流するまではただひたすらに目の前に現れる渇きを潤していた。
カラカラピープルと呼ばれる異形の者も元は人間。
多くはまだ助かるのだ。俺の、俺たちの武器をもってすれば。
ただ、中には救いきれず破壊を繰り返すしかできなくなる者もいる。
それはやむなく葬るしかない。本当は全部救う事ができればいいんだけど。

BIG-NOはいつも悲しい目をしていた。
彼のサイボーグとなった作られた腕を見れば過去を問う言葉など必要もない。
そして現れた最後の男。MJ-Ⅱ。
闇雲に戦う俺らを見て彼は口の端を歪め笑う。それでは意味がないと。
外からやってきた彼が言うにはこのメッツシティの奥、
諸悪の根源なるなにかがあるという。
カラカラピープルや大地の渇きの分布図を辿れば一目瞭然に『そこ』が
中心であるという。なにが待ち受けているかは分からない。
でも根を抜かなきゃ終らないのは確かなのだ。

暗くなり今夜の宿にしたトンネルに火を焼べ
なんとか手に入れた食料で腹を満たす。
『そこ』に近づくにつれ作物などもなく食べる事もままならない。
幸い俺たちは渇く事だけはないのだけれど。

「情報がある。」

MJ-Ⅱが堅いパンを齧りながら口火を切った。彼は情報収集能力が高い。
蘇生させたカラカラピープルの心を奪い入手するのだ。
俺にはとても真似できない。だって人見知りだし。

「目指す『そこ』に囚われのお姫様がいるらしい。」
「お姫様?」

俺の問いに得意のギラついた笑顔を見せる。

「やっぱラスボスんとこには囚われの姫だよな。絶対にモノにしてやるぜ。」
「そのお姫様はなんで捕まってんの?」

「そりゃ美人だからだろ。そういうもんだ。」
「へ、、え。そういうもん、、なの?」

戸惑う俺と興味を示さないBIG-NOにMJ-Ⅱはおもしろくなさそうにした。

「なんだよ、興味ねえのかよ?女の子嫌いか?」
「そういう訳じゃないよ。でも捕われてるなら助けなきゃね。」
「そうだろ。男たる者、戦って女をゲット!」

なんかちょっと違う気がするけど。まあ、やる気になってるからいいか。

「お姫様はNINOXって呼ばれてるらしーんだけどさぁ。
名前にしてはちょっと変わってるよな。」

「ニノ?」

それまで全く興味を示さなかったBIG-NOが顔を上げた。
それにMJ-Ⅱは気を良くして次々と情報を並べていった。

姫は『そこ』の最上階にいること。
小柄で白く美しい肌をしていること。
薄茶色の瞳がいつも潤んでいるということ。
この渇いた土地で瞳も肌もうるうるだということ。
小さくて丸い可愛い手をしていること。

なんか最初のひとつ以外はあんま役立ちそうにないのに
聞く度にBIG-NOの顔が驚きに満ちていく。

「なあ、猫背って情報はねえか?」
「ん?ああ、確かに。」
「まじか、、、そんな。てっきりカラカラピープルになったものとばかり。」
「え?なに?知り合い?」

BIG-NOの言葉に驚き聞いてみれば妹だと答えた。
生きていると信じてはいたけど所在が分かって安心したと
いつも悲しく厳しく険しい顔してたBIG-NOが初めて笑顔を見せた。

「お、BIG-NO笑うと可愛いじゃん。今夜どう?」

ちょ、MJ-Ⅱ節操なさすぎでしょ。誰でもいいわけ?
そういや俺も出会った日に口説かれたっけ。
もちろん、BIG-NOはふざけんな、と言い放ったけれどMJ-Ⅱはへこたれない。
やれやれ。でも、ま、BIG-NOの妹と言うなら全力で助けなきゃね。

「急いで行こうね!」
「おう、ありがとな。AYBER」
「ちょ、俺は?俺がニノちゃん助けるって。」
「お前は極力ニノに近づかないでくれ。つか、アイツは止めた方がいい。」

真剣な顔して言うBIG-NOに俺たちは首を傾げた。
まぁ、たぶん。可愛い妹に悪い虫をつけないためだとは思うけどね。
BIG-NOの妹かぁ。どんな子なんだろう?



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企画1の当選者様、全員ご連絡いただきました。
ありがとう。
発送は4/1か2の予定です。少々お待ちくださいませ。