タイトル通りの妄想小説です。
ほんのちょっとネタばれともいえない程度のネタばれあり
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分かりやすく拗ねてる背中を俺に向けてるこの人。
見えないけどきっと。
頬を膨らませるか唇をとがらせるか、そんな表情をしてるんだ。
内心クスクス笑いながら困ったような声を出す。
「ねぇ、さっきからなんなの?」
なにも答えない背中にピッタリくっつく。
「言ってくんなきゃ分かんないよ?」
耳元で囁くとピクリ反応する。
「だって…」
「なに?」
「松潤…いい匂いなの?」
「ん?」
「翔ちゃんのほっぺ…きもちーの?」
「んは!」
予想してたとはいえ、その言い方に思わず吹き出してしまう。
週末にあったイベント内で教わった世界のあいさつ。
それを実践するのに、なぜか連続で俺が当たってしまって。
潤くんと匂いを嗅ぎあったり
翔ちゃんと頬を合わせたり。
そんな事をする羽目になった訳で。
だからね。この人も本気でヤキモチやいてるわけじゃないの。
ちゃーんと分かってる。仕事だもの。
これはただの確認作業。
お互いの気持ちを確認するシキタリ。儀式。そんなもの。
本気じゃないヤキモチは楽しいんだ。
だからね、俺もノッテあげる。
俺だってあなたの気持ち、確認したいんだからね?
「なに笑ってんだよ。」
つぶやく声に、この人の望む言葉を並べてあげる。
「ヤキモチやいてくれてんでしょ?嬉しい。」
「べ、べつに…」
「でもね?俺だってあんたが潤くんとデコくっつけて
鼻擦り合わせてんの見んの、やだったんだけど?」
「それは!」
「分かってる。あなたも分かってんでしょ?」
「うん。ごめん。」
「んふふ。仲直りしよっか。」
「うん。」
そうしてキスをしてお互い笑いあう。
好きなんて言わなくても気持ちが通じる。
だからコレは大事な作業なんだ。
今さら「好き」なんて素直に言えない俺の為の
相葉さんからの仕掛けなんだ。
「ねぇ、相葉さん。あいさつ、してみる?」
「あひゃひゃ!ケニア?ケニア?」
唾をかけ合うなんて儀式。
「あんたとなら、いいけど?」
いたずらっぽく笑う俺に一層声をあげて笑った。
そんなこの人に唇を寄せると俺から舌を差しいれた。
「ん…んん。」
スグに応えてくれて、じっくりとお互いを味わう。
「んふふ。唾絡め合っちゃったね?」
「お前言い方ー!」
そんなん言いながら爆笑してて全然色気なんてないけど
お互いちょっと熱もっちゃったのは分かってる。
「イベント…あんたとケニアになっちゃったら笑っちゃいそ。」
「俺も!あー、でも他のでも…やばくね?」
「ヤバいね。むしろ熱っぽくやったら
翔ちゃん辺りマジで慌てそうじゃない?」
俺の提案に“それいい!”なんて言いながら肩を抱き寄せてきて。
目と目が合えばもう分かってるよね。
ベッド、いこっか。
「本日のワクワクメインイベント!」
なんて、やっぱり色気のないこの人に
「おっさんか!」
なんて色気のないツッコミを入れてやった。