立教大学の吉岡総長とお話する機会があったので


その中で感じたことをまとめてみようと思います。


ちょっと長いですが、大学生はぜひ目を通してみてください。


特に立教生や立教志望の学生には読んでもらいたいです。







まず、現在の大学生の「大学生」というものに対する意識について。


そもそも大学っていうところは


専門的な勉強をする場なわけですよね。


高校受験の時に進路を決めて


この勉強がしたいから□□大学の○○学部に行こう、と。





だけど今の大学生でそうやって学部を決めている人って


半数に満たないんじゃないでしょうか。





1年生の時に英語のクラスの先生に言われたことがあります


「君たちはなんのために大学に来ているの?」と。


私は日本の大学って「将来の目的を探すための場」でもあると思っているから


そういわれたのがものすごく悔しくて


先生と口論になってしまったわけだけれども(結局あとでいろんな食い違いがあったことがわかった)。





でも先生が言ったことは本当に正しくて


本来は大学で何を勉強してどんな人間になるかっていうのは


高校までのうちに持っておくほうがいいと思う。


そのほうが大学生活における「学び」はより大きなものになるはずだ。





教わったことから何かを発展的に学び取る力というものは高校卒業までにつけるべきで


大学に入る時には「もっと学びたい」という欲求を持っていることが理想。


教授の話を聞いて、家に帰って発展的に何かを学ぶという姿勢は


本来であれば大学で教えなくちゃいけないことではない。





問題は日本の教育制度で


学部よりも何よりも「大学名」が問われる社会だから


高校までは受験のための勉強をする。


だけどそんな教育は、正直なにも産まないと思う。





まぁとにかく今の大学生はそんな環境で育ってきているから


大学の1年目は「学び取る力」をつけるための勉強をしなければならない。


だけど大学の現場もその変化についていけているとは言い難くて


本当に内容のない「原論」の授業をやったりしていますね(まぁあれは大学の授業としてそもそもどうよって感じですが)。





で、やっと立教大学の話になってくるんですが


立教大学は「リベラルアーツ」を提唱しています。


そもそもリベラルアーツってなんぞやってことなんですが


吉岡総長はこんなふうに言っています。





「リベラルアーツとは、ヨーロッパの知の伝統である「自由七科」、神の言葉と真理を理解するための文法、修辞学、論理学と、宇宙と自然の調和や、創造の秩序を解読するための天文学、音楽、代数学、幾何学を指す言葉です。人が人としてよりよく生きるための世界認識の基礎をなす力であり、未来に向かって足場を築くための学びといえるでしょう。」 


引用元:立教ジャーナル2011【大学の存在意義が問われている今こそリベラルアーツの復権を】







なんか難しいですが、


つまりは「他者への理解・共感をする力を持ち、社会全体に見通しを持てるような『学び』をしましょうね」


ってことが言いたいんだと思います。


その力を持ったうえで専門教育での高みを目指すと自分の中にもう一つの視点が生まれ


さらなる他者理解につながるということを総長は言っています。






立教大学におけるリベラルアーツの代表例としては


「全学共通カリキュラム(全カリ)」があげられます。


立教生のみなさんにはおなじみだと思いますが


他大学における「一般教養」と同じようなものです。


それを立教大学では4年間にわたって各自履修していきます。






他大学では1・2年次は一般教養に充てられることが多いかと思いますが


立教大学では1年次から専門科目を学び始めます。


それが立教大学の特色ともいえるのですが、


毎年新たに全カリを履修することで


自分の専門分野に絡めた新たな発見をしていくことができます。


これは1年生の時にざっくり一般教養を学んでから専門的な道に入るよりも


はるかに「発見」の度合いが高まるのではないかと思っています。






と、知ったふうなことを言っていますが


全カリというものの意味をしっかり考え始めたのは総長とお話ししてからです。


その時点で私は全カリの単位をすべて取得してしまっていたので


もったいないことをしたなぁと思っているところです。






しかしここで新たな気づきがありました。


はたして立教大学の何割の生徒がこの教育方針に気づいているというのでしょうか。


たぶん、ものすごく少ないと思うんです。






総長が言っていたことで印象的なことがあります。


「あなたがひとつのスポーツチームに入っていたとする。


 その時、あなたは目の前にある自分の役割だけをこなすか?


 それとも、チームの目的・方向性を知ったうえで


 自分の役割をこなしているのか?


 それだけで、チームへの貢献度は変わってくる。」






言葉は違いましたが、大体そういうことを言っていました。


つまりこれを大学にあてはめてみると、


「立教大学の方針を知ったうえで勉強をする」のと


「とりあえず単位を取得する勉強をする」のでは


得られることに大きな違いがあるということになります。






うまく言葉にできないのが申し訳ないのですが


学生が所属する大学の教育方針を知るということは


その後4年間の学びに大きな差が生まれると思うわけです。






これは社会人になっても言えそうですね。


ただ目の前にある仕事をこなすのではなく


自分の会社はこの社会の中でどういう立ち位置なのか?


経営陣はどういう方向に行きたいと考えているのか?


それを考えながら仕事をしたならきっと


楽しく、そして会社のためになる仕事ができるんだと思います。










長くなっちゃいました。


ただひとつ思うのは、


もっと早いうちに総長とお話しする機会があれば


わたしの4年間はもっと有意義なものになっていたかもしれないな、ということです。


それでも学生のうちにお話しできたということは


私の中でとても大きなことでした。






最後にひとつだけ


総長に聞きそびれたことを書いておこうと思います。






先日、ユニクロを経営するファーストリテイリングがこんな発表をしました。


もちろんまだ決定事項ではありませんが(構想段階)、


大学1年生からの採用活動を始める
というものです。


柳井氏の言い分では「一括採用だと、同じような人ばかりになる。1年生の時からどういう仕事をするか考えて、早く決められる方がいい」ということですが


それは「日本の大学における学びには意味がない」と言っているのと同じだと感じました。






私にとって大学は「社会をみつめ、将来を考える」時間だと思っています。


特に立教大学においてはその色が強いと考えています。


ファーストリテイリングのこの発表に関して


立教大学はどんな答えを出すのか?


ぜひ総長に聞いてみたかった。


ほかの大学もどう考えているのか知りたいところではあります。










皆様の大学での学びがより良きものでありますよう。






2011,11,21 立教大学8号館にて