こんばんは

いやぁ暑いですな
ちょっぴり肉体MOD(?)中のけんちちです

過去に登場してる悪友狂健のクルマをクラッチ交換したハナシである

コトの顛末は

狂健『走行中に突然ヘンな音がして、クラッチがスベる様になった』

オレ『どんな音ョ?』

狂健『シャーみたいな感じ』

オレ『クラッチ切ったり離したりしても音は変わらないのか?』

狂健『変わらないナ』

オレ『ベアリングでは無いナ、バラして見ないと何ともいえん。』

オレ『まずディスク、カバー、レリーズ、パイロットの4点を探せや
   ※探せや・・・昭和42年車なので、フツーに部品が無いのだ

狂健『おうよ』

オレ『OK、部品が揃い次第掛かろう』


しばらく経ってからヤツに連絡を入れてみる 

オレ『ブツは手に入ったか?』

狂健『残念だがディスクしか手に入らなかった』

オレ『ソレだけじゃあダメじゃんかョ、最低カバーは欲しいゾ。』

狂健『7月5日、岩見沢でのイベントにエントリーしてあるので何とかならないか?』

オレ『5日?もうスグじゃねェか、バラしてダメだったらエラい事になるぞ』
※エラい事・・・ KP61等の新めな(ソレでも古いが)4Kエンジンとミッション乗せ換え、プロペラシャフト加工etc ま、プライベートじゃあ無理な仕事を指す

狂健『その時はその時だナ』

オレ『OK、ミッション降ろそう。』
 
ヤツのガレージでやる、前に乗ってたTE27レビンもココで2回降ろしたし

AM10:00

オレが到着するとウマに上がっていてヤツはシフト回りをバラシていた

狂健『ココ、ヤバいな、シフトレバーが上から外れない』

オレ『穴が小さいしミッションをがっぱり下げないと外れない感じだナ』

 
この小ささではキツイ、ミッションのマウントを外した位じゃナットが回せるほど下がらないしシフトレバーが付いたままじゃミッションのメインドライブシャフトがクラッチカバーをかわせない・・
『コレは面倒だナ』

 
『エンジン降ろした方が早くね?コレ』

エンジン降ろす方向にシフトだ

そうとキメたらバラす

まずはキャブを外す・・・・がなかなか一筋縄ではいかない

このK型のエンジンはTE27の2TG型とは違う、2TGは前から見て左にキャブ、エンジン挟んで右にタコ足なのに対して、エンジン右にキャブとタコ足が一緒に付いている、いわゆるターンフローの形である
(ニッサンのL型もコノ形だったが各パーツに余裕があった)
だが、この辺を外さないと外れないボルトがある

コレのミッション回りのボルトを外す、ほとんどのボルトが楽勝に緩むが
セルモーターのボルトがミッションと共締めになってる

セルモーターを外したい
    ↓
タコ足がじゃまで見えない
    ↓
タコ足を外すにはキャブも外さなくては
という図式になる
 
幾種類の工具を駆使してナットを外してまずはキャブを外した

次がまたシビれる、インマニとタコ足の共締めのボルト&ナット達
 
チョッと判りずらいがスパナも満足に掛からないこのボルト
恐らく組んだトキ、締めづらかったのかカンタンに緩んだが
チマチマとしか回らないんだなコレ
 
 やっとココまで
 
セルモーターを外し、エンジンマウントを緩めたら降ろせそうだ
このスタイルで重量は100Kg無いだろうナ

よし!吊るぞッ!!

2m位の鉄パイプにベルトを掛け、2人で左右に分かれて担ぐ・・・


・・・が、重いッ!

もう、スグに諦める、ムリは禁物だ

ミッションだけを降ろす方向にシフトだ

若い頃なら意地でもエンジンを降ろしたモンだが
オッサンになると諦めが早い、楽なほうに流れていく

ココまでバラしたら最初の案の通りミッションがかなり下がるのでイケる

そそくさとドライブシャフトを外しシフトレバーをサクっと外し
ミッションを降ろす、軽いのでラクショーだ
 
クラッチカバー&フライホイールを外して音が鳴る原因を検証しよう

 こんな針金が出てきた、長い方はエンジンとフライホイールの隙間に入ってた
 
 
何かに当たって曲がってしまったダイヤフラムスプリングの押さえ
 
ミッションの釜の中、何かが当たったような跡
 

ココも叩かれた跡
  


ほらっ、やっぱり
 
犯人はクラッチディスクではなかった

左が入ってたディスク、右が新品だが、まだまだ寿命ではない
 
 バラバラになって出てきた針金といいクラッチカバーが怪しいが
新品がないので比べ様がないのョ

そこでヤツの世話になってるショップに外したパーツを持って行く

ショップの社長に『こんな針金が入ってたんですョ』と聞いてみるが
『んー何だろうネ、コレ、倉庫に3Kのエンジンが有るから外して見てみな。』

早速3Kのエンジンからカバーを外して、持ってきたフライホイールに合わせて見ると

ノックピンの位置からボルト穴もピッタリだ、コレいけるナと思い社長に

オレ『コレ、ピッタリで行けそうですよね』

社長『うん、行けるねコレ、あッ!ココの針金じゃね?』
 
 なるほど、ダイヤフラムスプリングの固定ピンをキメるリングだった

あたらしめのカバーはこんな感じでピンもリングも見えない形になってる
 

 コレで、氷解した

まず

走行中、リングが金属疲労かなんかで破断
   ↓
回転しながらミッションの釜の中で暴れる
   ↓
粉々になってアチコチに飛び、エンジンとフライホイルの間にキマる
   ↓
擦れて『シヤーッ』と音が出る
   ↓
リングが無いからダイヤフラムスプリングが緩んで
   ↓
クラッチがスベる

 この流れでほぼ間違いは無いだろうナ
 
3Kのクラッチカバーを貰ってガレージに戻る

なんだかんだでPM17:00だが、組み立てよう

貰ってきたクラッチカバーだが、錆がスゴいので磨く

もちろんレリーズベアリングやパイロットベアリングも再使用する
そもそもそんな古いモノがこの世に有るとは思えないからだ

レリーズは結構イイ音が出てたが、耳を塞ぐコトにしよう

今回の作業のメインイベントであるクラッチのセンター出しに掛かる
クラッチ交換をやった事がある方はご存知だろうが

パイロットとディスクの穴がキッチリとセンターが出ていないと泣く

普通は専用の工具やメンドラを切って作ったセンター出しの工具が無いとダメなのだが、今回はホークアイ(笑)と呼ばれたオレの目でキメよう

ミッションを車の下に入れ、渾身のパワーで持ち上げてファックさせるが
さすがに一発ではキマらないナ、やっぱりセンターが出てないのか・・・ 

いや、オレの目を信じてもう一度トライだ
今度はローリングさせてパワーのベクトルを変えながらいこう

『さくッ!』

おお、入ったぜッ、さすがオレwww

アトはバラした順番をリバースして組み立てていく
 
とりあえず形になったのでエンジンに火を入れてクラッチの調整をする

ヘンな音もしないナ、大丈夫だ・・・と思う
ぶっちゃけ、レリーズベアリングが結構キテたのだが
キャブやマフラーの音がうるさくって判らんがネ

OK、ウマから下ろしてシェイクダウンに行こう
   
時間はPM22:00を少し回ったトコだ

夜の街にいい歳したオッサン2人が爆音を奏でて走り回る
クラッチの切れも繋がりもまずまずの様だ

作業終了
報酬のスーパードライ6本パックと缶チューハイ3缶を土産に家路に就く




今回は実にラッキーだった

たまたまカバーがダメで貰ってきた3Kのカバーが使えたが
もし、ディスクがダメになり、K型のディスクが欠品だったら終わってた
カバーは流用出来たがディスクは流用出来ない

Kと3Kのメインドライブシャフトの太さが違うから3Kのディスクじゃ
ガバガバで使えない

ミッションも3Kに使われてたモノ(パブリカ等)を乗せればいいけど
クランク側のパイロットベアリングの穴も微妙だ
メンドラも太いからパイロットも太いと思う

そうなるとエンジンも3K乗せ替えになる、ホラっ大変だろ

ただ、3Kに替えたって、たったの100ccしか排気量アップしない


そうなりゃKP61とかの4Kエンジンの方がまだパーツもあるし
ミッションも5速まである (今は4速) 

ただ5速となるとミッションの長さが変わるので
プロペラシャフトも切り詰めなきゃならないし
シフトレバーの位置が下がるので穴を開けなおし
クラッチもワイヤー式から油圧式する為にはボディに穴を開ける
などなど、だ。
4K替えた所でたったの200ccのアップにしかならん
手間と金がかかる割にはたいした馬力は上がらない
 
イマドキの軽自動車にチギられて奥歯を噛み締めるコト間違いない

ソコまでするならいっそのコト4AGを乗せてしまおうか・・・・
いや、コレに4AGは実在するので
2JZはムリだが、セリカGT-FOURの3S-GTEをブチこもう
そうすりゃもう、ライバルはいない
 
 
 イベントでギャラリーの視線はクギづけ間違いなしだwww
 
・・・・とヤツなら考えるだろうナ


そして負のスパイラルに陥る

しかし性能は確実にアップするがナ

結局、消耗部品がもう供給されない車はオリジナルを維持するのが困難だ

次にどこかダメになったらエボリューション(進化)するハズ





おかげでオレはモーレツなマッスルペイン(筋肉痛)に襲われたゼッ!