なぜ恋愛作品において、メインヒロイン以外の主人公を好きになるヒロインは報われないのだろうか。
どうして主人公と結ばれる幸せではなく、いわば女の子としての理想のルートではなく、困難を乗り越えなければ幸せを得ることができない運命にあるのだろうか。
メインヒロインが主人公を好きになる物語の多くには、その願いが叶わないと決まっているのが同様に主人公を好きになるサブヒロインが存在する。
もちろん彼女たちはストーリーを盛り上げる為に不可欠な登場人物であるが、主人公と結ばれることのない結末が既に決まっているのなら、メインヒロインと主人公の恋愛模様を支える以外の、その物語にとって重要な存在価値を与えてほしい。
メインヒロインや、主人公の人間性・キャラクター性を強調させる為だけの役割では、せっかく好きという気持ちを抱いたのにそれだけでは悲しすぎる。
仕方がないことだとも思うが、メインヒロインと主人公が絡むストーリーの本筋に入ったら、どうしてサブヒロインは基本的に登場せずその話の流れに都合の良い可愛いだけの優しい女の子に成り下がってしまうのだろうか。彼女たちはメインヒロインに劣らないくらい魅力があり、負けないくらい主人公を好きなのに、なぜその思いは結ばれないのだろうか。
主人公と、メインヒロインみたいな関係性を持てるエンディングあってほしい。ただの一人の引き立て役になってほしくない。
恋愛作品のヒロインたちは不平等な世界の中で生きていて、メインヒロインが勝つ恋愛競争にたくさんの素敵な女の子が巻き込まれている。
彼女らは、好きという気持ちを別な形に変えようと努力する。その姿はとても人間味があって綺麗だ。けれども、どうしてそんな試練を乗り越えて自分を納得させなくては、得られない幸せルートしか用意されていないのか。その恋心が結ばれない前提で彼女たちキャラクターが生まれたのならあまりにも切なくて悲しい。
だがしかし、そのサブヒロインがいるからこそ、そんなキャラクターを応援したくなる。その物語に、第三者の自分が感情移入ができ、現実と似た気持ちを抱くこともできる。さらに、主人公やメインヒロインもそのキャラクター性を高めていける。
結ばれないなら最初から存在させないでほしいものの、彼女たちがいるから恋愛作品はいくつもの分岐点を作ることができ、ストーリーに彩りを持たせることができる。やっぱり切ない運命は避けられないのだろうか。もどかしさが心に引っかかっている。
どうか自分の好きなヒロインが幸せになってほしい。