都営地下鉄蔵前駅は都営浅草線と都営大江戸線は地上に出て乗り換えで有名。
予約して見学するのがハードルが高く、なかなか行けなかった旧三河島汚水処分場喞筒場施設を見学できて、この波に乗るしかないと、予約が必要な他の施設の見学にも挑戦することにしました。
見学しないとマンホールカードが手に入らない、もう一つの施設、蔵前水の館に行くことに。
しかし、喞筒場施設に比べ予約枠がずっと少なく(午前一組、午後一組)、予約が取れず、結局間があいてしまいました。
そして、ようやくやってきた蔵前水の館。
蔵前水の館と、蔵前水の館に隣接する蔵前ポンプ場は、昭和59年まで大相撲の興行が行われていた蔵前国技館の跡地に建設されています。
蔵前水の館は意外とこじんまりとした建物です。
江戸時代に幕府が集めた年貢米などを収めておく「浅草御蔵(あさくさおくら)」があって、米問屋などが並んでいました。「御蔵前(おくらまえ)」と呼ばれていたのが、昭和9年から「蔵前」となりました。
そういうことから外観は蔵っぽくなっています。
しかし、その正体は地下30mにある実際に使用されている下水管を見ることが出来る施設です。
時間になるとガイドの方が現れました。タブレットにサインをしたら見学開始です。
階段を下りていきます。
壁には力士たちの手形とサインが展示されています。
蔵前国技館の跡地に建設されている縁で大相撲に関する展示物があります。
踊り場ごとに、相撲の番付が付いていました。一番下が序の口で、一番上が横綱になっています。
地下3階(深さ18メートル)で、ドロップシャフトの説明などを受けます。
ドロップシャフトは、らせん型に水を落下させることで衝撃を減らし、深さの違う下水道管をつなぎ水を流す装置です。場所も取らず、費用の面でもよいとか。
手前の細い管は汚水用のドロップシャフト、奥の太い管は雨水用のドロップシャフトです。晴れの日や少しの雨なら流れる汚水は少しだけれど、大雨の時は大量になるので、それに対処するため、太さの違うドロップシャフトがあります。
浅草橋幹線は内径6.25mの下水管が使われています。都営大江戸線のトンネルは4.8メートル、キリンも4.8mというので、それより大きい。
東京23区の、幹線、枝線の合計は約16000kmで、東京とオーストラリアのシドニーを往復する距離だそうです。
そして、更に階段を下り、見学台から浅草橋幹線の下水管を眺めます。
内径6.25mの下水管。
雨の時は水位が上がるので、その跡が壁に見えます。
においは思ったほどきつくは感じませんでした。
下水管を利用して、光ファイバーケーブルを通し、無人で遠隔操作してるとか。
数年に一度くらいだけれど、大雨の時には水位が上がるだけでなく、音・勢いが凄い時があり、その時は本当に身がすくむとおっしゃっていました。
地下1階の展示スペースでは、ドロップシャフトを上から見られました。
下水管の耐震や管理についての展示がありました。
そして、色々なマンホールも展示されていました。こちらで、配布されているマンホールカードのものも展示されています。
地下の序の口から、横綱まで上って終了です。
約1時間の見学でした。
見学しないと手に入らない、東京23区のマンホールカードです。
旧三河島汚水処分場喞筒場施設で配布されているカードのカラーバージョンです。
東京都の花「ソメイヨシノ」がピンク、東京都の木「イチョウ」が黄色、東京都の鳥「ユリカモメ」が白くデザインされているマンホール蓋です。イチョウとソメイヨシノの周囲の波打っている部分が、13羽のユリカモメです。
自分たちの生活を支えてくれていると実感できる貴重な時間でした。