ショートショート……“コロナ”後の未来を妄想する…五月山で妄想する | Once upon a time by Bonze

Once upon a time by Bonze

ブログの説明を入力します。

 五月山は、
 週に、2回登ることを目標に…



 愛宕神社…

 アフターコロナは、どうなるのか?
 ずっとずっと先、今の世の中のことを
 どう振り返るのだろう?
 極端な二つの未来を想像してみた…

 【最悪の未来】
 その頃…毎日毎日、テレビやネットでは、コロナの新規感染者数が発表された。一年延期された東京オリンピックパラリンピックを前に、ついに、4回目の緊急事態宣言を政府は発表した。飲食店の時短、アルコール類の提供禁止、オリンピックの無観客…あらゆる規制、ルール……その是非で、世論は沸騰、炎上し、政府は対応に追われた。
そして、オリンピックパラリンピックは開催されたのである。…東京2020。
 ところが、政府もIOCも世論もメディアも…あらゆる組織、識者…つまり人類は、このコロナを甘く見ていた。変異を繰り返したコロナは、感染力、毒性を何倍にも増して、爆発的な勢いで、東京から全世界へ広がっていった。東京で変異したのか、変異したコロナが東京に持ち込まれたのか…とにかく、オリンピック終了とともに、日本中に、そして、世界中に猛烈な勢いで広がっていった。毎日の死亡者数がテレビやネットで発表され、医療崩壊、株価の大暴落…など、想像できる限りの暗いニュースが流れ続けたが…突然、テレビもネットも止まった…すべてが…社会のすべてが止まったのである。
 社会は崩壊した……人類は消滅するのか⁈

   

 ……こんな感じに

【拍子抜けの未来】
 204x年の秋、中学2年生のボクは、教室で歴史の授業を受けていた。牛乳瓶の底をそのままレンズにしたような眼鏡をした先生が甲高い声で言う。

「ところで、この時のオリンピックが、
   2021年にやったのに、
 なぜ“東京2020”って言うのか、
 わかる人?」…  

 この先生、いくつだろ?
    40歳前?のオジサン
 いやいや、それより、その眼鏡〇〇
 🥸“2020”と似てるし、
 歴史の先生だから、その眼鏡?
…その眼鏡、“昭和アンティーク”って言うのか…  
  先生の話が頭に入ってこない。

「はい、キミ!」
 …って、こっちを指す。
 ボクはまわりを見渡すが、人はいない。
 昔は、30人から40人の生徒が教室にいたらしいが、ソーシャルディスタンスだかフィジカルディスタンスだかで、今では15人しかいない。いや、リモートで授業の生徒がいたかも…
 …慌てて立ち上がるが、頭の中は真っ白…
 「その眼鏡が…いや別に…」と、しどろもどろ

「ボーと生きてんじゃねーよ」って言って、
 先生は、ニヤリ😁

 

 知ってるわ、そのセリフ。
 それ言いたかっただけとちゃうん⁉︎
 昔あった?というアルファベット三文字の国営放送?でやってた“チコちゃん”のセリフだ。
 我が家では、オカンが好んで使う。


「はい!
 みんなこれ絶対覚えて…
 “東京2020”って言いますが、
 東京オリンピックパラリンピックは、
 2020年にやってませーん。🙅‍♂️
 2021年にやりました。
 これ引っかけ問題! でまーす。
 コロナ禍…ころなか…
 …と読みまーす。
 いいですかぁ、…
 ころななべ(コロナ鍋)
 🍲…ではありませーん。
 
 このコロナの世界的な大流行により
 2020年夏に開催予定だったオリンピックが
 1年間延期になるんですね。
 大会延期により開催年は変わりますが、
 “東京2020”の名称を変更せずにそのまま使うことになりました。」

        
 
 この時代、「コロナ」という感染症で、
 日本中、いや世界中が大騒ぎになった。
 『コロナ禍』という。中国からはじまった、といわれる、この感染症(正式には、新型コロナウィルス感染症《COVID-19》)は、2019年末から全世界へ大流行した。この流行による災難や危機的状況を『コロナ禍』という。

「はい、『コロナ禍』…この用語、
 必ず覚えてください。重要ですよ」
 …と、先生はズレた眼鏡を直しながら言った。
 世界史的に言えば、
 ルネサンス、フランス革命、イギリス産業革命… 日本史的に言っても、大化の改新、平安京へ遷都、関ヶ原の戦い、明治維新… このくらいの歴史のターニングポイントになる重要用語だと、先生。
 『コロナ禍』は、地球レベルの大変革となったらしい。産業構造から、人々のライフスタイル…あらゆる分野に大きな影響を与えることになった。
 しかしながら、当のコロナについては、尻すぼみとなっていった、ようだ。当時、オリンピック後も、毎日毎日、感染者数の発表はされたが、日に日に無症状の割り合いが増えていき、ほとんど無症状となった。
 オリンピック開催前、政府は飲食店に向けて、金融機関を通してだとか、酒類の販売事業者を通してだとか、規制しようとしたが、世論の大反発をかって引っ込めた。
 多くの人たちは不満を持ちながらも、ステイホームをして、新たなライフスタイルに慣れていった。
 たびたびの緊急事態宣言に逆らって営業する飲食店や飲みに行く人たちもいて、新規感染者は増えていったが、無症状ばかりとなった。オリンピックの開催により新規感染者数は増えたが、これもまた、重症化は少なかった。何よりも、クラスターがおきても重症化がおこらないので、病床数は、常に90パーセント以上空くようになった。
 それが、ワクチン接種の普及によるものなのか、集団免疫によるものなのか…しばらく議論されていたが、その議論さえ、尻すぼみとなっていった。
 当時の政局では、コロナ禍の対応については、大きな焦点であったのが、そのような状況であったので、与党も野党も振り上げた拳をどうするのか…そのままフェイドアウトをしていくしかなかった。コロナをめぐり人々の間に多くの分断がおこっていたが、それらもいつの間にか話題にならなくなった、という。
 
眼鏡🥸の先生、
「みなさんの中には、もっと深く歴史の勉強をした人もいると思いますので注意しときます。
 江戸時代の末期から明治の初めまで流行したのは、『コロリ』…これは、コレラ。
 コロナと、間違えないようにね」

…昔の人は大変だったんやね。
 帰ったら、オカンに聞いてみよう。

…極端な未来の風景。

🎶未来のあなたに幸せを贈る〜♪
🎤

瞬き~NHK「ブラタモリ」エンディングテーマ(オルゴール)

…🙏