アジアが誇るモンスターグループBIGBANGのメンバー、D-LITEがJ-POPカヴァー・アルバム『D'scover』(ディスカバー)でソロデビューを飾ったのが2月。その後、3か月間をかけて北海道から沖縄まで日本全国で10万人超動員、26公演のソロツアーを完走したばかりの彼が、J-POPの歴史的名曲、尾崎豊の「I LOVE YOU」を新たにカヴァー。亀田誠治がプロデュースし、世界的なヴァイオリニスト葉加瀬太郎とコラボレーションした本作で、どんなケミストリーが生まれたのか?
原曲を聴いて心を揺さぶられたのが、尾崎さんの歌詞とストレートな表現力
――初のソロシングルは、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」カヴァー。この曲は韓国でもカヴァーされていますが、ご存知でしたか?
はい、もちろん。韓国でも超有名です。韓国の曲だと思ってる人も多いんじゃないかな?僕も大好きな曲です。
――尾崎豊さんのオリジナルを聴いてみて、どのように感じましたか。
一番印象に残ったのは、歌詞の内容ですね。韓国語カヴァーはオリジナルと歌詞の内容がちょっと違って、美しくて柔らかい愛の話なんですけど、尾崎さんの原曲は、すごく切ない物語。主人公と彼女だけの世界観がすごくよかったです。
――D-LITE版「I LOVE YOU」には、どのような解釈が加えられたのでしょう。
カヴァーアルバム『Discover』を作ったときに思ったのは、原曲の雰囲気を壊さないようにしながら僕の考えを入れることが重要だということ。今回も同じ考えで臨みました。原曲を聴いたとき心を揺さぶられたのが、尾崎さんの歌詞とストレートな表現力だったので、1コーラス目は原曲の雰囲気を活かして、2コーラス目に僕が感じた強さと冒険心を加え、D-LITEらしさを強調しました。
――葉加瀬太郎さんのヴァイオリンで楽曲の美しさに磨きがかかりましたね。
いつもレコーディングの前にオケを何回も聴いて、その曲に似合う僕の声やイメージを膨らませるんですけど、葉加瀬さんのヴァイオリンは、1回聴いてすぐにイメージがわきました。
――アルバム『Discover』に続き新曲もカヴァー曲ですが、カヴァーの魅力とは何でしょう。
原曲に対す聴き手の思い出があるから、カヴァーって不安が大きいんです。その思い出を尊重しつつ、原曲に僕の解釈と色を加えることで、同じ曲だけど僕の歌で新しいステキな思い出を作ってもらえるのが魅力です。
昔は何も考えないで恋愛してました。仕事が手に着かなくなって、後悔したり
――PVではキスシーンに挑戦していますね。ビックリしました!
アハハ、恥ずかしい(笑)。撮影のときは緊張しすぎて、何も考えられませんでした。全部で5回くらい撮影しましたけど、ちょっと物足りないので、もう1回やりたいです(笑)。雨粒がスローモーションで落ちて、すごく美しい雰囲気に仕上がったと思います。
――PVでもD-LITEさんと彼女のふたりだけの逃避行が描かれていますが、「I LOVE YOU」は若さゆえの破滅型の恋愛を描いた作品ですよね。D-LITEさん自身は後先を考えない恋愛をするタイプですか。
昔は何も考えないで恋愛してましたね……。それで仕事が手に着かなくなって、後悔したり……。今は、いろんなこと考えなきゃいけないので、これからは、仕事も恋愛も両立できるように努力します。
――「仕事と私、どっちをとるの?」って彼女に言われたら、何と答えますか。
それ、すごく困りますね……。「身体は仕事だけど、心はキミだよ!」って言おうかな。お~、今考えたのに、良いセリフじゃないですか?使えますね。自分でもちょっと感心した(笑)。
――D-LITEさんに合う女性はどんな人なんでしょうか?
一緒にいて、お互いにリラックスできる人がいいですね。そして、心で共感できる人。僕、内面重視なので、基本的にひと目惚れってないですね。
ファンにならなくても、僕の音楽に良い印象を持ってくれたら満足
――BIGBANGやソロを含め、D-LITEさんが歌う曲は、ダンスミュージックやバラード、J-POPからトロットまで幅広いですが、ジャンルには固執しない?
音楽は、大きな海みたいなものだと思ってるんです。海にはいろいろな魚がいるじゃないですか。ジャンルも魚と同じ。みんな魚であって、1つだけが特別ってことはありません。僕の心に壁がなければ、どんなジャンルも同じです。
――ソロではカヴァー曲が続いていますが、日本オリジナル曲も早く聴いてみたいですね。
機会があればやりたいですね。カヴァーにこだわってるわけじゃなくて、一番大事なのは、僕が好きな音楽をやることなんです。カヴァーした曲も全部好きな曲。オリジナルも好きな曲ができたらやりたい。良い魚がいたら釣りたいです。実は魚を触れないんですけど、食べるのは好き(笑)。
――6月23日まで『D-LITE D'scover Tour 2013 in Japan ~DLive~』ツアーが行われていましたが、ソロとBIGBANGでのライブには、どのような違いがありましたか?
BIGBANGとしてのライブは、僕の調子が悪くても、ほかのメンバーがカバーしてくれるし、メンバーの姿を見ると僕のテンションが上がります。でもソロは、僕の調子いかんでバンドやスタッフ全員の雰囲気が変わったりしますよね。そういったところに、ソロとして立つことの責任を感じますね。
――日本全国を回って、日本のファンについて改めて感じたことは?
僕もビックリしましたけど、BIGBANGのツアーより、家族連れのお客さんが多かったんですよ。来てくれただけで感謝するのに、小さい子からお年寄りまで、僕の音楽を一緒に歌ってくれんです。は~……(深いため息)。それは言葉にならないくらいの幸せ。日本のファンはいつでも応援してくれるし、信じてくれる。だから、僕も信じられる。それが日本のファンのステキなところです。
――笹路正徳さんはじめ、日本のベテランミュージシャンたちを従えたライブでしたが、彼らからどんな刺激をもらいましたか。
歌手はバンドからのフィードバックが一番大きいんです。ステージの上でメンバーを見ると、すごいパワーをもらえるし、音から力を感じる。すごく感動するし、楽しかった。歌手としては最高の瞬間でした。
――この夏には、「a-nation」などソロとして様々なイベントライブに参加します。自分のファンだけじゃない人に、どのようにアピールしようと思っていますか?
多くのアーティストの方と同じステージで歌えるのが楽しみですね。その場の雰囲気に溶け込みたいです。僕のことを知らないお客さんに「あ、D-LITEの音楽いいな」って思ってもらえると嬉しいです。ファンにならなくても僕の音楽に良い印象を持ってくれたら満足。
ソロ活動で得たものを持ち寄って、BIGBANGとして何が生まれるか楽しみ
――BIGBANGの他のメンバーもソロ活動中ですが、お互いの活動に対するアドバイスなどしているのでしょうか。
前はいろいろ話してましたけど、今年はそれぞれ本当に忙しくて。メンバーだけのチャットルームがあるんですけど、それも最近使ってないくらい忙しいです(笑)。日本のG-DRAGONのライブで久々に集まりましたが、5人集まるのが大変な状況。だから、心で応援してます(笑)。あ、でも、仲はいいですよ!
――BIGBANGメンバーとD-LITEさんとの関係性を家族に例えると?
T.O.Pさんは、永遠に赤ちゃん(笑)。アーティストだから、考えたことは絶対に実行します。そこがカッコイイですね。G-DRAGONさんは、リーダー。僕たち5人を引っ張っていけるのは、G-DRAGONしかいない。みんなでいるときは友達みたいで、仕事のときは厳しいけど、それは一番大事なこと。BIGBANGの曲は、G-DRAGONがガイドボーカルを入れてくれるんですけど、僕は彼の歌う雰囲気とか、声の気持ちをくみ取りながら練習します。SOLさんは、前はパパだったけど、今はお兄さんかな。距離が近くなりました。いつも応援してくれるし、良いメッセージをくれる。音楽の話を一番するのはSOLさんですね。V.Iさんは、ペット(笑)。う~んと、ビーグル! 訓練が難しけど、訓練できたらすごく良い犬になる。結果が出るまでに時間がかかります。僕はまだ手なずけられてないです ね……。
――11月からは、BIGBANGとしての6大ドームツアーが控えていますね!
久しぶりに5人が集まります。SOLさんがソロアルバムを出したとき、ボーカルがすごく良くなったのを実感しました。ソロ活動って、個人が一番成長する時間だと思う。今、みんなソロ活動をしていますが、5人それぞれが得たエネルギーと経験を持ち寄って、そこから何が生まれるか楽しみです。
自分はどういう人だと思いますか?
カメレオン。毎日違います。
変わりたいと思っていることは?
日本語。もっと完璧になりたい。
最近はまっているものをおススメしてください。
レゴ!この前トラックを10時間かけて作りました。最近、もっと難しいロンドンブリッジを買いました。
自分のことを「褒めてあげたい」と思った最近の出来事は?
仕事は今までお疲れ様。これからまた頑張ろう。仕事じゃなかったら、レゴ10時間お疲れ!(笑)。 ロンドンブリッジも頑張ろう!
最近、一番笑ったエピソードは?
いつも笑ってます(笑)。
2013年、上半期の3大ニュースを挙げてください。
仕事:(1)ソロアルバム『Discover』リリース。(2)ソロツアー「D-LITE D'scover Tour 2013 in Japan ~DLive~」。(3)「I LOVE YOU」リリース。ソロしかやってない(笑)。プライベート:(1)レゴ。(2)沖縄。(3)札幌。沖縄と札幌は食べ物が美味しかった!
2013年の残り半年でやっておきたいことは?
仕事は『I LOVE YOU』リリースと、BIGBANGの6大ドームツアー。BIGBANGの新しい作品づくり。仕事以外だと、料理を習うのもいいかな?
初めて行ったコンサート・舞台など、「これぞエンターテインメント初体験」といえるものは何ですか?
事務所の先輩だったフィソンさんのライブを練習生時代にBIGBANGのメンバーと行きました。
座右の銘は?
「自分自身をいじめろ」。中学のときの技術の先生が言ってくれた言葉。疲れて休みたくなったときに自分をいじめて頑張れば、君たちの未来が明るくなるよって。
「これだけは誰にも負けない」自信のあることは?
じゃんけん(笑)。
明日1日お休みだったら何をしたいですか?
お台場にレゴを買いに。それか、秋葉原でレアなレゴを買う(笑)。
将来の夢(これから挑戦したいことなど)を教えてください。
外で運動したい。安全なスポーツがいいな(笑)。釣りとか?
チケットぴあのインタビュー「Special Interview 一語一会 D-LITE」のページです。