今日はテストが返ってきた
ずっと御守り入れを作るのに集中しすぎてほとんど勉強が出来てなかった
それに理佐姉に恋人がって思ったけど違うとわかってさらに御守り作りに集中しちゃったからな…
もちろん点数は散々な状態
なんとか赤点は免れているけど…
ヤバいよねこれは…
理佐姉が見たらどう思うだろう
実家に帰らされてしまうかも…
お母さんにも帰ってこいって言われかねない
マズイぞ…マズイぞ…どうしたもんか…
いい知恵なんか浮かぶはずもなく、トボトボと家に帰る
家に着くと玄関の鍵は開いていた
理佐姉はこんな日に限って早く帰ってきたらしい…
なんというタイミングの悪さだろう…
気持ちが重い…
「ただいま〜」
やる気のない声が出てしまう
「おかえり。どうしたの顔が酷い顔してるよ?何かあった」
隠しきれないのはわかっているから素直に黙って答案用紙を差し出す
「はい。これ」
「テストが返ってきたの?」
「うん…」
理佐姉は目を通して、答案用紙の点数を見る度に百面相になる
「友梨奈、勉強頑張ってたよね?頑張ってこれなのか、本当はやってなくてこれなのか」
「どっちもどっち?」
「どっちもどっちとは?」
「やってもそこまでは変わらないのに、さらにやらなかったからこの結果になった」
私は言いながら半泣きになってしまった
「いつも宿題や、予習復習してるって、頑張ってたのは?」
「他の事をやってた…」
「私の為に夕飯作りや掃除に時間使わせちゃった?」
「ううん…違うよ」
ポロポロと涙が流れてくる
「友梨奈、泣かなくていいから。とりあえず部屋に入ろう」
理佐姉に手を引かれてリビングのソファに座る
「ごめんなさい」
私には謝るしか出来なかった
「友梨奈は何にごめんなさいしてるの?」
「テストの点数と、勉強してたって嘘ついた事とか」
私は実家に戻されやしないかとそればかりが不安で仕方ない
理佐姉と離れて暮らすなんてもう無理だから
だから実家に帰るように言われるのが怖くてたまらない
「友梨奈、宿題も勉強もしないで何をしていたの?」
御守りは作り終わったからそれを見せるしかない…
こんな形で渡す事になろうとは…不本意だけど仕方ない
「ちょっと待ってて」
と部屋に御守り入れを取りに行く
戻って理佐姉の前に無言で立つ
「友梨奈?」
「はい、これ理佐姉にあげる」
「これは…開けてもいい?」
「いいよ」
御守り入れを開ける
中には私が作ったマスコットと、お願い事を書いた紙が入ってる
「これ、私の為に作ってくれたの?」
「うん。毎日頑張ってお仕事してるから恩返しがしたくて」
「ありがとう。気持ちはとても嬉しい。この御守り入れも大事にするね。でも…」
「理佐姉、お願いします。これからはちゃんと勉強するから実家には帰さないで」
「まだ何も言ってないでしょ?」
「こんな成績じゃ…ここには…」
「そんなに私といる方が楽しい?」
「楽しい。離れたくない」
「これからちゃんと勉強頑張れる?」
「頑張る」
「私が早く帰れた日は教えるから、その代わり厳しくするけどいい?」
「一緒にいられるなら厳しくても堪えるよ」
ひとまず実家には帰されずにすんだ
良かった