恋人というくくりが辛くなってしまった


恋人だから、恋人なのに

自由にならないそんな環境で恋人っていうくくりが私を苦しいものにしていく


恋人はちょっと癖の強い人

嫉妬深くて、ヤキモチ妬きで独占欲だって強い…私のような人


自由にならない環境は恋人の束縛が強いからじゃない


私の恋人…友梨奈に自由に会えない環境だから


声が聞きたい時に聞けない

友梨奈を独占したい時に出来ない

友梨奈の状況が見えない事が増えた

そんな環境にある事が辛かったから


恋人ってくくりが無ければ…

恋人じゃなくなれば、この私の中にある色んな感情を落ち着かせられる気がしたの


友梨奈と普通に友達みたいに仲良く出来る気がしたの


でもそんな簡単にはいかなかった

拗れに拗れた私達は友達にもならず

今は他人同然


私も意地になって、思ってもいないような言葉を言ったり、うらはらな態度を取ってしまった


本当はまだ、今も、友梨奈じゃなきゃ…

友梨奈じゃなきゃって心の中でずっと繰り返してる


素直になれない私はこうやっていくつかの恋を拗らせ終わりにしてきた

私は幸せになれない運命だから仕方ないって私自身に言い聞かせて


友梨奈と別れてから寂しさを埋めるように色んな人と関わるようになった

SNSで知り合った人、職場つながりの人

と交際の幅を広げた

友梨奈と過ごした時間の代わりを埋めるように


1人になると襲ってくる孤独感

友梨奈と離れてからさらに強くなった


気持ちが不安定になりやすくなって…

離れてみて感じるの

友梨奈が私の心の安定剤だった事


友梨奈の声、言葉、想いが私の全てだった

恋人ってくくりが辛かったのに

恋人じゃなくなったらもっと辛くなった


感情が止まってるみたい…

泣きたいのに泣けない

友梨奈がそばにいなきゃ泣けない…


何度もスマホを確認しては連絡を待つ毎日


冷たく突き離しちゃったからな…


1人、公園でずっとスマホを眺めているといつの間にか夜になってた

夜風が冷たい、そう思った時…


「風邪、引いたらどうするの?喉が弱いんだから気をつけないと」


頭の中で友梨奈の声が木霊する


いつも度が過ぎるくらい心配性で、具合を悪くすると必ずすぐ電話してくれて


私、大事に愛されてたんだよね

大事にされていた事、愛されていた事

嫌な部分が増えると忘れてしまってた

好きだから、恋人なんだからって気持ちばかり優先しちゃってた


私も変わらないとな…

手離したら終わりにしてばかりだったけど、私も変わらなきゃ


手離したくないって本気で思えた人だから

恋人だからじゃなく、恋人だもん、もっとワガママになれば良かったんだ

これからはちゃんと私の気持ちや考えを聞いてもらえばいいんだ

恋人だから許されるワガママもあるよね


私はスマホを取り出す

出会った時は向こうから連絡くれたから

今度は私から

素直になろう、それでワガママにもなろう


ちゃんと私の気持ち伝えてわかってもらおう


我慢してちゃんと伝えれずに来たから、もう我慢しないで伝えよう


友梨奈ならちゃんと考えてくれる

私の好きになった人だもん

この人だって思えた人だもん

私が変わってって何度も言ったら変わろうとしてくれたんだよね

不器用なくせになんとか変わろうって


なのに私はその頑張りを突き離した…

我慢の限界だからって


私も全然、冷静になれてなかったな…

失って分かる大切さに今さら気づいて、後悔して…


もう友梨奈が他に誰かを見つけてたら…

友梨奈を誰かに取られるのは絶対にイヤ

友梨奈だけは誰にも渡したくない

だから私から連絡してみる


「はい」

「友梨奈?」


「うん。どうしたの?」

「やり直したい」


「えっ?急だね」

「ダメ?」


「ダメ?っていきなりすぎるから」

「それが私でしょ?」


「いや、確かにそうだけど笑」

「やっぱりやり直したい」


「それはどういう意味で?」

「言わなきゃわかんない?」


「いや、わかるけど、一応聞いとこうかと思って?」

「やり直したいって思ったから」


「そりゃそうだよね」

「って事は肯定だよね?」


「うん…そうなるのかな?」

「あと、やっぱりヤダとか後から言わないでね」


「言わないよ…たぶん」

「たぶんって何それ」


「いや…う〜ん、難しいな」

「私は気が短いからはっきりして」


「いいよ」

「いいよは肯定でしょ?だから後から絶対やっぱり無理って言わないでね」


「言わないよ」

「前みたいに同じ事ばかり2回も3回も言わせないでね」


「クックック」

「なんで笑ってんの?」


「理佐だなぁって」

「馬鹿にしてる?」


「してないよ。そう言う理佐がやっぱり好きだなぁって実感したから嬉しいだけ」

「そう。ならいいけど」


「理佐」

「ん?」


「好きだよ。ずっと好きだった。連絡ありがとう」

「うん…」


「声聞いてやっぱり好きだなぁって思った。それにどんなに忘れようとしても忘れられなかった」

「友梨奈」


「うん?」

「私も好き」


「それって期待していい意味での好きかな?」

「うん!」


若干、素直になりきれなかったけど、友梨奈も同じ気持ちでいてくれて良かった


よりを戻せたら私の中にあるモヤモヤや不安定な気持ちが一気に晴れていく


どんなにケンカしても、ムカついても、私には友梨奈じゃなきゃだめなんだ

友梨奈がいるだけで私は元気になれる


大好きだよ友梨奈



おわり