「理佐ちゃん、あのさ」

「うん?」


「理佐ちゃんが好き」

「ありがとう、私もてちが好きだよ。小さい頃から実の姉のように慕ってくれてありがとう」


「そ、そうじゃなくて、恋愛感情でずっと理佐ちゃんが好きだったの」

「うそ…だって…」


「ウソじゃない、おにぃに何を言われてたのかわからないけど、私はずっと、ずっと理佐ちゃんだけが好きだった」


真っ直ぐに理佐ちゃんの目を見る

理佐ちゃんも見つめ返してくれる


「本当に?」


私の気持ちを確認するかのように理佐ちゃんが聞いてくる


「うん。本当だよ。嘘なんかつかない」 

「嬉しい、私もずっと、ずっとてちが好きだったから」


「本当に?」

「うん。私も嘘なんかつかないよ」


「おにぃはそれを知ってるの?」

「私がてちを好きなこと?」


「うん」

「知ってる。告白された時に正直に答えたの。私はてちが好きだからって」


「それを言ったら私と関わるなって言われたってこと?」

「うん。友梨奈はお前を姉としか見てない、変な影響を与えられたくないから妹に近づくなって」


「だから引っ越す前ずっと避けてたの?」

「うん。近づいたら全部バラしてやるって、友梨奈が私の気持ちを聞いたら、気持ち悪がって私を嫌うぞって」


「そんな酷い事言われてたなんて…知らなくてごめんね…」

「てちは悪くない。だから謝らないで」


「でも…」

「離れたら諦められると思ってた、だけど近くにいるのに話せないのはもっと辛くて苦しかった」


「うん」

「海外に引っ越すって聞いて、もっと離れちゃうってわかったら、私が好きになんてなったから、諦めるられないから、忘れさせる為にバチが当たったって…」


「そんな事思ってたの?」

「うん、てちのお兄ちゃんと顔を合わせる度に友梨奈に近づくなって、妹を穢すなって言われてたから」


「アイツ、本当に最低」

「てちを本気で心配してたんだよ」


「違う、振られた腹いせと、私を好きだって言ってたから、私への嫌がらせもあったはず」

「どうしててちに嫌がらせするの?」


「おにぃは私の理佐ちゃんへの気持ちに気づいてたんだよ」

「てちの気持ち?」


「私が理佐ちゃんに特別な感情を抱いていたことを」

「てちは妹なのに?」


「妹だってライバルはライバルだから。私には近づくなって言えなかった、だから理佐ちゃんにばかり言ったんだよ」

「どうしててちには?」


「ママ…お母さんにチクられたら終わりじゃん」

「そういうことか」


「本当に最低な男」

「お兄ちゃんをそんなに悪く言ったら…」


「兄であっても私の恋路を邪魔してた時点で兄ですらない」

「てち…」


「理佐ちゃん、私と付き合って!ずっと、ずっと大切にするから」

「はい。よろしくお願いします」


私は嬉しくて理佐ちゃんを抱きしめる


「大好きだった、ずっと、ずっと大好きだったよ」

「私も大好きだったよ」


「明日、デートしよう」

「明日は初デートになるね」


「うん!花火大会」

「うん、花火大会!」


「楽しみだなぁ」

「そうだね」


お母さんからスマホに電話が来て、そのまま私は家に帰ってきた


出ていく時は最悪な気持ちだったけど

今は幸せいっぱいな気持ちで部屋に入る


明日は私から手をつなぐんだ