ずっと無表情、無テンションだった平手さんが少し怒りの混じった感情を見せた
「わからないよ、それに私の病気のことはこの仕事と関係ないでしょ?」
「あります、私には関係あります」
「どう関係あるの?」
「由依さんから聞こえてきた1言でずっと私は気になって仕方ないんです。そんな疑問を抱えたまま気にするな、集中しろは難しいです」
「平手さんのそれは好奇心でしょ?」
「違います」
「なら興味本意?」
「本当に、わからないんですか?」
「わからないよ」
「好きだから気になるんです。私は渡邉先輩が好きだから。好きな人のことはなんだって気になるのが普通じゃないですか?」
私を好き?
それはどんな好き?
先輩として?
"理佐が好き、大好き、ずっと、ずっとそばにいてね"
元恋人の思い出が蘇る
「好きって言われても…」
「私に好かれるの迷惑ですか?」
「迷惑とかじゃなくて、平手さんの好きはどんな好きなの?」
「生涯を捧げたいくらい好きです」
平手さんは真っ直ぐ私を見つめて答えてくる
「生涯って私と結婚したいってこと?」
「しましょう」
"私が生まれてきたのは理佐に出会う為、
理佐も私に出会う為に生まれてきたんだよ。だから私達、幸せになろうね"
また元恋人の思い出が蘇る
今は思い出したくないのに…
ここで、平手さんの前では泣きたくない
「しましょうって私達まだお互いのことをよく知らないよね?」
平手さんの突然の告白と、過去の思い出が蘇るせいで、苛立ちが言葉に出てしまう
「お互いを知ってから、はそんなに重要で必要ですか?」
また無表情に変わった平手さんが淡々と言い返してくる
「どんな相手かとかは必要でしょ?価値観や考え方とか」
「好きって強い気持ちが互いにあれば価値観の違いなんか解決していけます」
違いなんか?そんななんかって思える様な簡単な事じゃない!
"理佐のそういう考え方とか言い方とか大嫌い。私に理佐の考え方だけを押し付けないで。もう私は無理、我慢出来ない。私達、別れよう"
平手さんの言葉で何度も蘇る辛い記憶…
私の神経が精神がおかしくなりそう
「好きって気持ち互いにあれば…ね、そんな簡単なものじゃないと思うけど?」
「他の人達は知りません。でも私達なら大丈夫です!だから渡邉先輩、私と幸せになりましょう!」