今日は週末だ 

いつものコインランドリーに歩いてく  


髪もボサボサのままだし、服もジャージで見るからにダサい格好だと思う  


コインランドリー行くだけだし、他にも人がいるわけじゃないから適当でいいやって感覚だった 


いつもの場所に洗濯物を放り込み、いつもの場所に座ってボーっとするのが日課


ここで過ごす時間が退屈で無意味な時間

かと言って、アパートに戻って出直してくるのも面倒臭い


置いてある漫画は全て読破した

スマホで何かを見てるのも飽きてしまった


ボンヤリしながら、時々ウトウトしつつ、洗濯、乾燥が終わるのを待つ 


今日もウトウトしかかった時、カラカラとコインランドリーのドアが開く 


ここに誰か来たりするんだ 

チラッと見ると自分と年のあまり変わらない女の子が戸惑うように洗濯機を見ていた 


「コインランドリー、初めてですか?」


いつもなら相手から求められなければ手助けなんかしないのに、無意識に彼女には声をかけていた 


「はい、使い方がよくわからなくて…教えてもらってもいいですか?」 


こっちを振り向いた女の子は、このコインランドリーには似つかわしくないくらいの綺麗な子


私は一通りの使い方を説明して、また同じ場所に座る 


彼女はどうしたらいいか考えてるようだったから、また声をかける 


「洗濯終わるまでここで待っててもいいし、出て終わる頃に戻ってきてもいいし、好きな方で」 

「あなたはここで待つんですか?」 


「友梨奈」 

「えっ?」 


「私の名前は友梨奈、あなたは?」 

「私は理佐」 


「私はいつも終わるまで待ってるけど、退屈を持て余しそうなら1回出て、戻ってくるのもアリだよ」 


「友梨奈さんはここにいるんですよね?」

「うん」 

 

「なら私も残ろうかな」 


そう言って彼女は私の隣に座ってきた 

そこまで広くないけど、他に席はあるし、目の前とか斜め前とか他に座る場所はあるのに何故隣に座る? 

席を1個空けるわけでもなく、なぜ完全なる隣に座った? 


「他にも席があるのになぜ隣?」 


突っ込まずにはいられなかった 


「目の前に座って、隣に誰か座っても嫌だし、友梨奈さんの隣に座ってればその隣に知らない人が座っても友梨奈さんを見てれば安心だし」 


ん………? 


「私も知らない人と一緒だよね?」

「さっきまではね、でも今はお互いの名前も知ってるから知り合いになったでしよ?」 


そう言って彼女は笑う
その笑顔を見て胸がざわつくのを感じたけど、この時は気づかないフリをした


私は次からはコインランドリーに行くにも身なりを整えるようにしようと思った