トゥルルル トゥルルル トゥルルル


あっ、電話鳴ってる

今日はいつもより早く終わったのかな?


こっちにスマホ持ってきてないんだよな

仕方ない

お風呂から上がってからかけ直そう


トゥルルル トゥルルル トゥルルル

トゥルルル トゥルルル


さっきより長くコールが鳴ってる

間違いなく理佐だな

きっと必殺!心配性理佐ちゃんになってるだろうな


想像するだけで可愛い


私は鳴っている電話の主に確信を抱きながらお風呂から出る


早々にかけ直してあげるべきだろうが、先に洗濯を済ませてしまいたいから理佐にはもう少し待っててもらおう


洗濯を済ませ部屋に戻ると早速スマホがなった


トゥルルル

コール1回で電話に出る


「もしもし、理佐?」 

「うん、私。良かった」 


あっやっぱり心配性理佐ちゃんが発動してる


「うん?どうしたの?」 

「なかなか出なかったから心配になって」 


今にも泣きそうな声

そういう所、可愛すぎるなぁ

好きだなぁ


「でた、理佐の心配性」 

「だって心配になっちゃうんだもん」


なっちゃうんだもんって、理佐、最高すぎるよ

可愛さの極みだね


「フフ、可愛い」 

「本当に心配したんだから、何してたの?」 


ちょっと半べそな声

あ〜、今すぐにでも抱きしめたいなぁ


「お風呂に入って、その後洗濯してた」
「そっか、それなら良かった」 


ホっとした声

理佐に触れたいなぁ

ギューってしたい


「何が良かったの?」 

「無事だったから」 


いつも心配してくれて、気にかけてくれてありがとう


「ちゃんと無事だよ」 

「うん、あと寂しかった」 


もぅ、理佐ちゃんその一言は反則だよ〜


「電話でれなかったから?」 

「うん…ごめんね」 


そのごめんねにキュンしました!

めちゃくちゃキュンしました!


「なんで謝るの?」 

「重いかなぁって」 


もっと、もっと重くなって

全部、受け止めるから


「そんな事ないよ、嬉しいくらい」 

「ほんとに?」 


はい、もう今夜はお泊り決定!

どうやって誘おうかな〜


「声が裏返ってるよ、可愛いなぁ」 

「だって嬉しいって言ってくれたから」 


そりゃぁ嬉しいに決まってるじゃない!

こんなに嬉しくなるのは理佐にだけだよ〜

もう素直に言ってしまおう


「会いたくなっちゃったな」 

「私も会いたい」 


やったぁ!


「家に来る?それとも行こうか?」 

「お風呂、入っちゃったんでしょ?」


これは来てくれる感じかなぁ〜

来てほしいなぁ〜


「うん」 

「なら私がそっち行く」 


待ってるから早く来て〜

ギュっとさせて〜


「わかった」 

「ご飯は食べた?」 


食べたとしてもここは食べてないって言うべきでしょ


「まだだよ」 

「何か材料ある?」 


いつだって理佐が料理出来る様に準備してあるよー


「この前、一緒に買い物した材料がまだある」 

「じゃぁ、そっち着いたらご飯作るね」 


楽しみだなぁ〜、理佐の手料理

でももっと食べたいのがあったり!?


「お腹空きすぎて先に食べちゃうかも」 

「お菓子食べすぎないでよ」 


お菓子なんかじゃ満たされないよ

他の何にでも満たされない

理佐じゃなきゃ満たせないものがある


「お菓子じゃなくて」 

「なに?」 


わかっててなのか…

本当にわかってないのか…


「理佐」 

「ふへぇっ?」 


わかってなかったミタイダネー


「アハハ、それどっから出た声?」 

「友梨奈が変な事言うからじゃない」 


照れてる理佐も可愛いなぁ

理佐ならどんな理佐も可愛いんだけどね


「素直な気持ちを言ったまでだけど」 

「もう!」 


ちょっと怒った理佐も好きなんだよね

怒られたくてたま〜にわざと怒らせちゃったりしちゃうんだよなぁ


「で、食べさせてくれるの?」 

「シャワー浴びた後でいいなら」 


よしっ!今夜はもう…理佐を寝かせない!


「やったー!楽しみに待ってるから気をつけて来てね」 

「うん」 


電話を切って、急いで部屋を片付ける

理佐が好きな匂いのお香を焚いて

今か、今かと待ち侘びる


電話切らずに着くまで話したかったな

もうすぐ来るってわかってるのに…

なぜかちょっと寂しさを感じる

早く会いたい、早く抱きしめたい

迎えに行っちゃおうかな?

私の片手は上着を掴んでいた



おわり