ブラッター会長:「女子サッカーは急発展を遂げている」
(FIFA.com) 2012年9月7日(金)
http://jp.fifa.com/u20womensworldcup/news/newsid=1696701/index.html
アメリカ、ドイツによるFIFA U-20女子ワールドカップ決勝の前日、この3週間を振り返る記者会見が東京で行われた。
会見にはヨーゼフ・ゼップ・ブラッターFIFA会長、デイビッド・チャンFIFA副会長/ FIFA U-20女子ワールドカップ委員会長、小倉純二JFA会長/現地組織委員会長、タチアナ・ヘイニFIFA女子サッカー理事長が出席した。
FIFA.comが会見の一部をレポートする。
ヨーゼフ・ゼップ・ブラッターFIFA会長
女子サッカーについて
女子サッカーは現在、大変喜ばしい状況にあります。
昨年、ドイツで開催されたワールドカップは大成功を収めました。
日本がサプライズの優勝を果たしましたが、なでしこ(日本代表)は女子サッカーに新たな価値をもたらし、ロンドン五輪の日本対アメリカ戦でもウェンブリーに7万人以上の観衆が集まりました。
今大会中のフェアプレーについて
敗者は落胆していることが常なのですが、ロンドン五輪ではまったく違っていました。
銀メダル授与時のなでしこは、下を向くことなく喜びに包まれていました。
これが、日本のサッカーの根底に流れるスポーツ精神です。
(ジャパン2012の)準決勝後、ドイツに拍手を送った日本のサポーターの方々も称賛に値します。
これもフェアプレーのひとつであり、FIFAが促進するフェアプレーデイの主旨と合致しました。
サッカーには規律、リスペクトが必要不可欠です。
サッカーはファイティングスポーツですが、フェアプレー精神に則ったスポーツなのです。
女子選手のプレー態度について
女子選手たちのプレー態度は素晴らしいです。
深刻な怪我はひとつもありませんでした。
オリンピックでは、女子選手の優れたプレーや態度、フェアプレーが見られました。
女子サッカーは、フェアで模範的です。
テクニカル・スタディ・グループの分析から、女子と男子のプレー態度には違いがあることが判明しています。
男子選手には女子選手を見習うべき点が多いと思います。
女子サッカーの将来について
女子サッカーは進化し続けていますが、まだ発展途中です。
ジャパン2012に出場したチーム中、女子監督は1名しかいません。
女子サッカー監督を養成するテクニカルディレクターも必要となります。
これは今後の女子サッカー発展において、大変重要な点です。
FIFAの女子サッカーへのサポートについて
FIFA会長として、私は女子サッカーの発展促進に全力を尽くしています。サッカーはあらゆる国、あらゆる文化でプレーすることが可能です。FIFA創立から108年が経った今年、FIFAの総会で、リディア(Lydia Nsekera)女史を女性初の理事に任命しました。我々は正しい方向に進んでいます。
開催国日本について
大変感謝しております。
来日した15チームへのホスピタリティーは素晴らしいです。
各大陸の代表団からは感謝の言葉しか聞いておりません。
会長として私も非常に嬉しく思い、満足しています。
急遽、開催国が変更されたため、日本には準備期間があまりありませんでしたが、素晴らしい大会にしていただきました。
日本での女子ワールドカップ開催の可能性は?
日本は2019年大会の有力候補です。
ヨーロッパ、北米と開催されてきたので、次はアジアで開催される可能性は高いです。
デイビッド・チャンFIFA副会長
開催国日本について
ジャパン2012を非常に成功した大会にしていただいた、現地組織委員会、日本サッカー協会のみなさんの努力・献身に感謝いたします。
FIFAと現地組織委員会も素晴らしい協力を見せることができました。
私は全会場を訪れましたが、すべてのスタジアム/施設は申し分のないコンディションでした。
プロ意識に徹した日本では、常に素晴らしい大会を開催できます。
小倉純二JFA会長/現地組織委員会長
大会開催について
短期間での準備となりましたが、滞りなく大会を運営し、成功を収めることができたことを本日ご報告します。
現地組織委員では無事大会を終了できるよう引き続き努力してまいります。
今大会は、先のなでしこの成功を背景にし、絶好のタイミングで開催されました。
女子サッカー、なでしこの将来は明るいです。
昨年の震災の被災者の方々へのご支援をはじめとした、ブラッター会長の日本へのサポートに大変感謝いたしております。
日本での大会に対する反応について
大会を通して、すべてのチームに素晴らしいサポートをしていただいた日本のサッカーファンの方々に感謝しております。
U-20女子サッカーへの関心を高めていただいたマスコミの方々にも感謝しております。
次はU-17女子ワールドカップが9月22日~10月13日にかけてアゼルバイジャンで行われます。
日本との時差は4時間(日本が22時の時にアゼルバイジャンでは18時)
日本代表の監督はU-20の監督を務められた吉田弘監督です。