古代ギリシャの恋人たち 〜神々編〜 | 金羊毛皮の翼

金羊毛皮の翼

その日にあったことや思ったこと、その日に関するギリシャ神話ネタやらを書いていきます。
更新は不定期です。何日も続いたかと思えば、ずっと更新しなかったり。
更新がなくても生きているので大丈夫です。


さて、先ほど、「ピュラモスとティスベ」の話をしました。

タイトルには、“~神々編~”とついていますが、神々の恋バナはありすぎるので、ぼくの一番好きな話をさせていただきます。



昔、ある国の王に三人の娘がいました。三人とも妖艶な美しさを持っていましたが、末っ子のプシュケはこの世の言葉では表せないような美しさでした。プシュケの噂を聞いた他国の男たちが彼女を一目見ようと押しかけるほどでした。そして彼女を目にしてしまってから、美の女神アフロディテに敬意を払おうとするものは誰もいませんでした。もちろんアフロディテは怒ります。神である自分が人間如きに負けても良いのか?パリスの審判はなんだったのか?アフロディテは息子の愛の神エロス(※1)を呼びました。
「あの娘を性格クソのアホでキモい醜男に片思いさせなさい」
エロスは母に命じられた通り、プシュケと性格クソのアホでキモい醜男に矢を射ようと、まずプシュケの元へ行きました。しかし、プシュケの美しさに手元を狂わせたエロスは自らを傷つけてしました。その途端、エロスはプシュケに激しく恋をしました。
ある日、プシュケの両親はデルポイの神託を聞きに行きました。何故なら、二人の姉が結婚しているにもかかわらず、外国にも評判が立っていて容姿も器量も姉たちより優っているプシュケが誰からも求婚されなかったからです(※2)。デルポイでは「人知れぬ山頂へ娘を立たせよ。そこで娘は神も畏れぬ夫と出会う」という神託が下りました。
プシュケが言われた通りの山頂へついたあと、西風ゼピュロスに乗せられ花咲き乱れる谷間に着くとそこにはとても見事な宮殿がありました。夫は「見てはいけない」と言って夜になった時の暗闇の中にしかいませんでしたが、宮殿には満ち足りた生活が待っていました。そして、夢のような毎日を送りました。
ある日、プシュケは姉たちを宮殿に招きました。妹の素晴らしい暮らしに嫉妬した姉たちは「暗闇に姿を隠すのは、夫が恐ろしい怪物なのではないか」と囁きました。その言葉でプシュケには夫に対する疑惑の念が生まれました。
その夜、プシュケは言いつけを破って、ランプで夫の姿を照らしました。そこにいたのは恐ろしい怪物などではなく、羽根を生やした美しい青年神だったのです。自分の夫が愛の神エロスだと知ったプシュケは驚いてランプの油をエロスの肩にこぼしてしまいました。
プシュケが自分のことを疑ったと知ったエロスはそのまま姿を消してしまいました。
プシュケはエロスに逢おうとしますが、アフロディテがそのための試練を課します。アフロディテの課した難題をクリアしなければエロスには逢えないということです。
一つ目の試練は神殿の穀物庫に山々と積まれた雑穀を一日で正確に選別しろ、というものでした。とても成し遂げられるとは思えません。プシュケは呆然と立ちすくんでしまいました。しかし、そんな呆然としているプシュケを尻目にアリが穀物を選りわけ、日が暮れる一時間前にプシュケは一つ目の難題をクリアすることができました。
二つ目の試練は凶暴な牡羊から黄金の毛 (多分イアソンの金羊毛皮とは別物) を刈り取ることでした。今度の難題では河神の「ナイアデス(河の精)たちが日中、羊たちを眠らせる間、藪に引っかかった羊毛を集めよ」という助言と協力のおかげで再び難題をクリアしました。
三つ目の試練は生命の泉から水を汲むことでした。泉には恐ろしい竜が住んでいましたが、ゼウスの大鷲のおかげでまたも難題を成功させました。
四つ目の試練は冥界の「美の箱」を貰うことでした。これがプシュケに与えられた試練の最後の難題です。プシュケは冥界におり、冥王ハデスの妻、春と豊穣の女神ペルセポネと話をしました。そして、プシュケの愛に感動したペルセポネは快く美の箱を譲ることを承知しました。無事に美の箱を手に入れて地上に戻ったプシュケでしたが、好奇心で箱を開けてしまいます。すると、箱に入っていた眠りの魔法にかかってしまいました。
プシュケの眠りを知ったエロスは妻の変わらぬ愛を知り、彼女の魔法をときました。エロスはゼウスに二人の結婚の許しを頼み、二人の愛に感動したゼウスは、プシュケに神饌アンブロシアを与え、プシュケは魂の女神としてオリュンポスの仲間入りを果たしました。この、プシュケ(Psyche)の「魂」や「心」という性質から、psychology(心理学)などの単語が生まれました。



※注釈※

(1)エロスは元は天地創造の時混沌カオスから生じた原始神という設定でしたが、のちに、美の女神アフロディテの息子と考えられるようになりました。ちなみにアフロディテ自身にも先王クロノスがその父親ウラノスから政権を奪う際に切り落としたウラノスの男根が海に沈んだ泡から生まれた説と、ゼウスの娘とする説があります。アフロディテの息子という考えが広まってからはエロスの若年化が進み、ルネサンス期には完全な幼児になってしまいます。エロス(Eros)は言うまでもなくエロティシズム(eroticism)の語源となりました。ローマ神話ではクピド、英語読みキューピッドです。

(2)プシュケが美しさを持っていたにも関わらず、誰からも求婚されなかったのは、アフロディテから「愛される」という能力を奪われてしまっていたからです。





最後に。




彼女が欲s (ry






編集に時間がかかってしまい、投稿が15日になってしまいました。内容的なことを考えて投稿日時は14日にしています。ごめんなさい。





でゎノシ