退屈でつまらない学校が終わり、僕は友人の謙と家へ帰っていた。
謙とは家が近く小さい時からよく一緒にいる。
互いに親友だという認識はないと思うが、ほかの人から見たらきっと僕らは親友なのだろう。
謙と一緒にいることはすでに当たり前となっている。
だからいまさら親友だなんて思わない。
あえて言うならば兄弟みたいな関係だろう。
「最近首が痛いんだよな。」
「修二、先週もそれ言ってたよな。」
今までずっと一緒にいたから特別聞きたいことも話したいこともない。
学校だって毎日同じことの繰り返し。
だから謙との帰り道の会話はいつもこんなとりとめもないことばかりだった。
「やっぱり病院とか行ったほうがいいのかな?」
先週からずっと首の痛みが続いていて最近になってその痛みがひどくなってきているような気がする。
それほど心配はしていないが、一応気になることには気になる。
「一回診てもらえよ。ほっといて首から下マヒしちゃいましたじゃ洒落にならないから。」
謙は半分本当に心配してくれているようだった。
「そうだな、よし明日学校を休み口実ができた。」
「じゃあ俺も付き添いとして休む!」
そんなことを話しているうちに僕の家についた。
「それじゃあ。」
と互いに別れの挨拶を告げ、僕は家に入る。
家に帰ってきても、ただいまを言う相手はいない。
父と母はともに教師をしている。
そのため二人が帰ってくるのは夜の8時ごろが普通だった。
そんな姿を見て育った僕は絶対に教師にだけはならないと決めている。
リビングに行きソファーに座ってテレビをつける。
しかし特に面白そうな番組もやっていなかったので電源を切った。
テレビを切ると一気にシーンとした空気に包まれた。
家は二階建てでそこそこ立派な家だと思う。
そんな空間に自分が一人。
首の痛みからくる不安のせいなのか、その慣れた状態が急に寂しく感じられた。
「今日は寝よう。」
不安と寂しさを紛らわせるためか僕は無意識のうちに誰もいない家の中、一人でつぶやいていた。
寝るために制服から服を着替え自分の部屋のある二階へと階段を登った。
そう、僕は確かに階段を登っていた。