彼が右手に持っていたのはひとつのちいさな星のかけらだった。

きらきらと輝くその星のかけらは彼の宝物だった。

ある日彼が目を覚ますといつも右手にあるはずの星のかけらがない。

布団の中、ベットの下、机の上、部屋の隅々まで探しても星のかけらは見つからなかった。

それでも彼はずっと彼の部屋を探し続けた。

2日が過ぎ4日が過ぎ、1週間が過ぎた。

それでもまだ星のかけらは見つからない。

とうとう彼は動けなくなった。

1週間も全く食べていない。

ただひたすらに彼の部屋の中を探していた。

彼が動けなくなって1ヶ月が経った。

とうとう彼は硬くなった。

1ヶ月も全く動いていない。

ただひたすらに彼の部屋の中を探そうとしていた。

彼が硬くなって1年が経った。

とうとう彼は粉々になった。

1年も全く硬いままだった。

ただひたすらに彼の部屋の中でじっとしていた。

すると窓から小鳥が1羽やってくる。

小鳥はくわえやすそうな彼のかけらを選ぶと窓から外へ飛び立って行った。

小鳥はどんどん高く飛んだ。

小鳥はどんどん速く飛んだ。

小鳥が速く飛ぶにつれてその身体は次第に輝きを帯びていった。

そしてぴかっと光って燃えてしまった。

彼のかけらは星のかけらとなった。

人はそれを流星と呼んだ。