何回も何十回何百回も聞かされた私の命の選択。
母は事ある毎に、私を宿した時の話をした。
初めて聞いた時から違和感も嫌悪感も無く、耳にタコが出来るほど聞かされ、なんとも思わず日常会話の延長上の話のようにいつも聞いていた(聞かされてた笑)
まぁだいたい私が何かやらかして、ちょっと母の機嫌を損ねた時にこの話が出てた気がする
ある時、仲の良いママ友とランチに行くこととなり、時間に余裕もあったのでお店を変えてお茶することに
話の流れで
この話を面白おかしく…
書ききれてない部分を交えて
ギリギリセーフ
で
産まれた私![]()
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と、締めくくった所でママ友のうち1人が急に…本当に突然に、ポロポロと涙を流し泣き出した![]()
え
なに
状況を把握出来ないまま咄嗟に聞いた。
「なんで泣いてんの?」
『……』
「待って待って〜とりあえず泣きやんで〜何かあった?」
泣きながら首を横に振りながら涙を拭くママ友。
『いやぁ…だってさぁ…あんた笑って話してるけど…ヒック
』
と、思ったらもう1人も泣き出した![]()
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その周りに居たママ友も顔色が曇ってることに今更ながら気づいた私。
「ちょっとどうしたんよ〜私なんか変なこと言った?気に触るようなことがあったんなら謝るから言って〜

」
私たちの席だけ異様![]()
結構オシャレなカフェだったんです![]()
ケーキ
まで頼んじゃったりなんかして優雅なティータイムのはずが…私…ぶっ壊した?![]()
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顔色が曇ってたママ友が、静かに話し始めた。
«私の憶測だけど…この子たちが泣いてる理由って…もしかしたら私が感じたことと同じだと思う。間違ってたらごめんな。その時は訂正して。ひとまず私が今の話を聞いて思ったことは、凄く胸が痛い。締め付けられる。苦しい。そして聞きたいんだけど……こんなこと言われて傷ついて悲しくて泣いたりしたのを乗り越えて笑い話にしてるの?»
と問いかけられた。
泣いていた2人もその言葉を聞きながら何度も頷き、涙を拭いた。
「もしかして……泣いた理由…この話?ごめん。雰囲気悪くしてしまって…私、実は傷ついたことも悲しんだことも全く無いのよ…バグなのかも知れないけど、結果論で言うと産んで貰ったからここに存在してるし、育てて貰ったからそんな話も聞けたわけで…貧しさの中での決断や、産まれて程なくして父が他界して、女手1つで家族を守り支えてくれた母の話だったから普通に聞いてて…そりゃ喧嘩もするし母のこと大っ嫌い!!って思う時も多々あるよ。だけど、この話は楽観的にしか捉えてなかった…望まれて産まれてきたことを知ったし、何不自由なく育てて貰った。だから笑い話のひとつと思って話してしまった…なんかごめん。。。」
必死で弁解じみた言葉を並べて説明した私だが、何かが胸に引っかかりスッキリしなかった。魚の骨が喉に刺さったような妙な違和感を覚えた。
今私と一緒にテーブルを囲んでいるママ友たちは、皆誰かの娘であり、子ども達の母親。
個々に思う所があったのだろう。あって当たり前だと思う。
私が私ではなく、他の誰かが
この私の話をしたら…
聞く側になっていたら…
顔色は曇り、泣いたかも知れない。
緩んだネジをしっかり閉め直そうと思った忘れられない日となった。