雨の日は憂鬱なるから書いてみる。

 

〓ここから〓 

「これで5日連続、いい加減止んで欲しいな」

6月30日、梅雨のど真ん中ともいえるこの季節だから仕方ないといえばそうなのだけど、流石にこれだけ降り続くと流石に少し参ってくる。今住んでいるアパートは湿気がこもり易い立地なのか古いせいなのか、雨が降るとあっという間に簡易温室の出来上がりだ。 大学から近いし、何より安いからそこは我慢するしかないんだけどね。

 

 外からは雨垂れの音が絶え間なく響いている。その音に混じって「ガッ、ガッ」という異質な音が聞こえた。ノックにしては変だし、雨垂れの音でもない、音は玄関の方から鳴っているようだ。

「また宗教勧誘かな・・・、暇つぶしに話してみるか」

この雨続きの憂さ晴らしというよりも八つ当たりをしてやろうと考え扉を開けると、誰もいなかった。

「上の階だったのかな?」

ただの勘違いだと分かり扉を閉め部屋に戻った。

「あんたがこの部屋の主か?突然で悪いが少し頼みがあるんだがいいかい」

和装で灰色の髪をした妙齢の女性がそこにいた。

「…あーっと、誰ですか?」

「こりゃあ失礼した。私はこのアパートのつくも神で『アマモリ』というんだ。頼みというのはこの子の相談にのって欲しいんだよ。」

「この子って何処に?」

「ほらあんた相談にのってもらいたいのなら、隠れてないでちゃんと挨拶しな」

そういってアマモリさんの陰から中学生とも高校生とも見て取れる女の子が出てきた。どちらかといえば綺麗というよりも可愛らしいと言えるような容姿だ。少し透けているのを除けばだが、そんな子が一体何の相談を・・・

「あの!えっと・・・、私は誰ですか?!」

何を言ってるんだこの子は…。

〓ここまで〓

 

古いアパート、幽霊 よくある組み合わせ。そこにつくも神を混ぜてみた。

タイトルはもともと「雨の日に訪れた人が誰」だった。