最後の一行がやりたかっただけ。

 

【ここから】

高校の夏休み子供の頃よく遊んだ神社にお参りに来てみた。

「懐かしいな。かくれんぼで見つけるのが上手かったせいか鬼をやらせてもらえなかったな」

かくれんぼ。やったことは無くとも知らない人はいないだろうという有名な遊び。隠れた相手を鬼(探し役)が全員見つければ終わりという簡単な遊びだ。最後にやったのは一体何年前のことだろうか、今思えば子供同士だからこそ拙い隠れ方でも楽しめたのだろう。大人同士でやっても体が大きいため隠れる場所に限りがあるから直ぐに見つかってしまい楽しむどころではない。 

『ねぇねぇお兄さん、私達とかくれんぼしようよ?』

ツノの生えた双子が賽銭箱の後ろから突然出てきて有無を言わせない表情で迫ってくる。その頭のツノはまさか本物じゃないよね?

『鬼が鬼をやってもつまらないからお兄さんが鬼役ね』

むしろ適任だと思うんだけど、というか鬼!?。

『目を閉じてゆっくり10秒数えたら探しに来てね』

拒否権はないようだ。まぁ、この狭い境内であればすぐに終わるだろう。

「8~9~10、もーいーかい。」

『もーいーよー』

妙に声が遠くに聞こえるな。隠れてるから当たり前か?さっさと見つけて帰るとしよう。

「・・・どこだここは」

目を開けるとそこは大平原だった。隠れる場所など何処にもない。

「鬼探しか・・・思ったより大変なことになりそうだ。」

【ここまで】

 

鬼を探してみたかった。