非日常系日常
【ここから】
「痛っ!…あっ、すいません」
歩きながらスマホ操作していたら誰かにぶつかってしまったみたいだ。休日で人通りが多いから考えてみれば当たり前のことなのだが。
「大丈夫ですよ、こっちも下をよく見てなかったので」
どうやら良い人のようで一安心・・・。
「・・・下?」
改めて前を見ると人の顔は見えず白い壁があるだけで、視線を上げると白いワンピースを来たゆうに2mを超える女性がこちらを見下ろしていた。
「あぁ、八尺様でしたか。スレさんは今日は一緒ではないんですか?」
「ええ、今日は仕事があるようなので一人で街を散歩しているところです。」
八尺様はスレさんと結婚して半年ほどの新婚さんだ。スレさんは正確にはスレンダーマンさんというようだけど、呼びにくいのでスレさんと呼ばせてもらっている。
「そうでしたか。私も特に目的が無く歩いていたので一緒に歩きませんか?」
「いいわね。一人で少し退屈してたところなの」
妖怪、化物、怪談、都市伝説。呼び方はいろいろあるけど、20年ほど前から架空の存在、作り話等として語り継がれてきた曖昧な存在だったはずの彼らが、場所時間問わず当たり前のように日常に「居る」ようになった。当初は混乱を極めたが現在は落ち着いているようだ。化物、モンスターと呼ぶには抵抗がある人が多いため、かつてあいまいなモンスターだった者達はこう呼ばれている。---あまモン、と。
【ここまで】