雨が降りしきってる。
久しぶりに帰ってきた埼玉の風景を見て、
潤一は昔を思い出していた。
駅からバスに乗り、実家へ向かう。
窓越しに懐かしい風景を見る。
数分で実家が見えてきた。
潤一はバスを降り、実家へ駆け込んだ。
両親は泣いている。
潤一の中学時代の友達、健太郎が亡くなった。
彼の通夜に出席する為、
潤一は埼玉に帰ってきていたのだった。
「ただいま・・・」
健とは中学時代、
常に一緒にいた。
毎日一緒に登校し、
放課後は泥まみれになるまで、
一緒に遊んだ。
そんな彼が病気で亡くなった。
何の病気だったのか、潤一は知らなかった。
あえて知ろうとも思わなかった。
階段を上がり、自分の部屋へ向かった。
勉強机の引き出しを開け、
中学時代のアルバムを開いた。
満面の笑みを浮かべた健の写真が1枚だけあった。
彼とは親友だったが、あまり写真は持っていなかった。
「なんで・・・」
彼が去った事を、
潤一はまだ受け入れずにいた。
もう夕方7時だ。
急いで礼服に着替え、
両親と共に式場へ向かった。
数ヶ月ぶりに会うのに、
まだ会話をしていなかった。
窓の外を見るが、
雨で何も見えない。
「葬式日和だな・・・」
っと心の中で思った。
式場が近づくにつれ、
潤一はぶるぶる震えだした。