ふむ・・・。
中の声が聞こえません。
私はポケットから「ある物」を取り出し、それに付属している2本のコードのうち、先端に吸盤のあるコードをドアにくっ付けました。
そしてもう1つの、イヤホンが付いているコードを耳にはめました。
ドゥーチェ [何か用か?]
ドゥーチェ [疲れているから早く眠りたいんだ。]
うん。感度良好♪ ←*良い子のみんなも悪い子のみんなもしてはいけません。
ペパロニ [ウソついても駄目っスよ♪]
ドゥーチェ [・・・・・。]
ドゥーチェ [何がだ・・・?]
少し沈んだ声でドゥーチェは言われました。
ペパロニ [眠れるワケ・・・ないじゃないっスか。]
そう言ったペパロニさんの声は、いつもの陽気な声ではありませんでした。
少しの静寂のあと・・・
ドゥーチェ [くや・・・しい・・な・・]
ドゥーチェ [きょ・・・う・・は、勝てる・・・と・・]
ドゥーチェ [おも・・・・・た・・・の・・に・・・。]
少し嗚咽(おえつ)まじり呟(つぶや)かれました。
ペパロニ [姐さん・・・スゴい気合入れてましたもんね・・。]
ペパロニさんの声は、温かさに溢れていました。
そして、そのまま話しだしました。
ペパロニ [姐さん・・・ウチは、強豪校には全然勝てなくて・・]
ペパロニ [優勝なんて、夢のまたゆめですよね・・・]
ドゥーチェ[・・・・・。]
ペパロニ [それでも、みんな戦車道を辞めないのはどうしてだと思いますか?]
ペパロニ [それは・・・・・姐さんがいるからなんですよ。]
ドゥーチェ [え?]
ペパロニ [試合中のどんな状況でも、チームの仲間を気遣(きづか)ってくれる・・・。]
ペパロニ [たとえ負けても、笑顔で勝った相手を祝福してあげられる・・・]
ペパロニ [そんな器(うつわ)のでっかい、姐さんがいるからなんですよ。]
ドゥーチェ [そ、そんなことは・・・当たり前だ・・]
ドゥーチェ [仲間を気にかけることや、勝者をたたえ・・・]
言いかけたドゥーチェの言葉を、ペパロニさんは遮(さえぎ)りました。
ペパロニ [ぜんっぜん当たり前なんかじゃないっスよ。]