私たちが脱衣所を出て居間に行くと、皆はすでに枕を持って待っていた・・・。

 

五十鈴さん「それでは・・・第一回まくら投げ・・死して屍拾う者なし大会を開催致します。」

 

五十鈴さんが言うと、ただのまくら投げが恒例行事的な催(もよお)し物に格上げされたな。

 

沙織「えーと、わたしの枕は・・・」

 

そう言いながら、悠長(ゆうちょう)にキョロキョロしている沙織に枕が直撃した。

 

沙織「ちょ、ちょっと!わたしまだ枕持ってないんだよ?!」

 

沙織がそう抗議すると・・・

 

五十鈴さん「あら、何処(どこ)のファンタジーなお国から参られたのでしょう。」

 

五十鈴さん「開催宣言がなされた瞬間に戦(いくさ)は始まっているのですわ♪」

 

五十鈴さんが綺麗な顔立ちと流麗(りゅうれい)な声でそう言った。

 

一同(このヒト、ガチの人だ・・・(汗))

 

私は即座に足元に落ちている枕を拾った。

 

投げるためではない。ガードをするためだ。

 

そう、ただ闇雲に投げれば良いというものではない。

 

状況を冷静且つ的確に判断し、飛んできた枕をまくらで受ける・・・これこそ真の覇者。

 

黒い大きな馬にも乗れよう。

 

さて、誰に投げるか・・・

 

五十鈴さんは既(すで)に、沙織が最初に拾おうとしていた枕を持っている。

 

やはり、丸腰の沙織か・・・

 

いや、今沙織をガードしてやると恩を売れるな・・・

 

そう思った瞬間、丸腰の沙織目掛(めが)けて枕が飛んで来た!

 

間一髪、何とかガードした。

 

沙織「マコありがとう♪」

 

秋山さん「おぉ!共闘する気ですねぇ☆」

 

投げた秋山さんが不適に笑った。

 

沙織「愛の力よ^☆」

 

私「誤解を招くような言い方はよせ・・・(汗)

 

西住さん「じゃあ、こんなのはどうかな?♪」

 

西住さんはそう言いながら、枕を投げた。

 

いや、投げる真似(まね)をして、実は薬指と小指で枕カバーの端(はし)を掴んでいた!

 

フェイントというヤツだ・・・。