応援団の練習がない日

ミサが起きるのはいつも昼過ぎだった。



まだまだ時間まで6時間もあるのに

着ていく服を選んだり、化粧をしたり・・・。



約束の時間が着々と近づいてくるにつれ、

ミサはドキドキ・ワクワクして仕方なかった。




約束の時間まで、あと1時間。

いつもよりもオシャレに決めたミサはバスに乗って街へ向かった。



メ 『ミサ~!おはよう!!』



ミ 『あっ!おはよう!・・・ってもう夕方じゃんww』



メ 『そかwwなんか今日のミサ、いつもと違くない?』



ミ 『メイだってww』



そんな他愛のない会話をしていると、メイの携帯が鳴った。


どうやら彼が来たようだ。



少し離れた所からメイを見つめていたミサは、

2人の若い男がメイに近付いているのがわかった。



『あっ・・・あの人たちかな?』



そう思った瞬間、メイは振り向きミサに手招きをする。



ミ 『あ・・・こんにちわ。はじめまして。』



男 『この子がメイの友達?かわい~じゃん!さ!!行こうか!!』



出逢ってそうそう、自己紹介もままならぬまま

目的地へと歩き出す男の人たちに、メイは満面の笑みでついて歩いた。



メ 『ミサ!早くおいで!』



ミ 『あ・・・う・・・うん』



ミサは人見知りをするタイプではないが

このときばかりは、メイが別人に見えて違和感があり

瞬時に打ち解けることができずにいた。



ペタしてね

応援団の練習が終わり、

マックで他愛のない会話で盛り上がっていたメイとミサ。



会話しながらも、

ミサはメイの携帯に何通ものメールが届いているのが気になっていた。


『メール、見なくていいの?』


ミサの質問に、メイは予想外の返事をした。


『ん?あぁ!あとで、まとめてみるから大丈夫!!』



ミサの頭の中は『???』でいっぱいだった。


あとで見るって・・・

そんなにたくさんメールが来てるのに・・・

誰とメールしてんだろ?



それからしばらくしすると携帯の受信音が鳴りやみ、

メイは携帯を開き返事を打ち始めた。



それに対しての返事なのか、またたくさんのメールが届く。

メイは携帯を見ながらこう言った。


メ 『ねぇ・・・明日、街にご飯食べに行かない?』


ミ 『えっ?街?いいけど。。。あんまりお金ないよ?』


メ 『お金の心配はしなくていいよ。』


ミ 『・・・どーゆーこと?また親に借りたの?』


メ 『じゃなくて!!おごってくれる人、見つけたの!』



。。。おごってくれる人?見つけた?



メ 『アタシね、いまメル友がいんの。そのメル友から告られたんだよね。

   で、昨日から付き合ってるの。』


ミ 『えっ?そうなの?彼氏できたんだぁ。どんな人?』


メ 『会ったことないから、わかんないww』


ミ 『え?会ったことないのにつき合ってんの?

   メールしかしたことないのに?』


メ 『でも写メは見せてもらったwwで、ミサにお願いがあって・・・』


ミ 『メイのことだから、なんとなくわかる気がするww

   顔を見たいからついてこいってやつでしょww』


メ 『そっww

   そいつも友達連れてきて、おごってくれるらしいから

   4人で遊ぼう!!』



ミサはあまり知らない人と遊ぶのは好きではなかったが、

夏休みだけあって開放的な気持ちになったのか、

なんだか面白そうだったから、メイのお願いを快く受け入れた。



明日はどこに行くんだろう?

何を着ていこうかなぁ。。。どんな人が来るのかな?

かっこいいかなww


そんな淡い期待を持ちながら、ミサは眠りについた。



ペタしてね

高校3年生の夏。


ミサは高校最後の体育祭の思い出に・・・と応援団に入った。



真っ赤なサラシに真っ赤な袴。


赤色が好きなミサは、

誰もが憧れている応援団の赤団に入団を希望した。




生まれつき右肩が悪く、

腕が上がらない、まっすぐ伸ばせないというハンデがあった為

『左翼』を志願し、見事に入団決定。




それからというもの、夏休みに入ると

毎日朝から晩まで応援団の演武の練習に明け暮れていた。




そんなときに出逢った1人の少女『メイ』



彼女は進学コースで頭がよく、

ミサとは比べ物にならないくらいに綺麗な顔立ちだった。



頭脳や顔立ちでは全く正反対の2人だったが

出逢った瞬間から会話が弾み、大親友になった。



それから毎日、ミサとメイは飽きることなく一緒にいた。



お互いがお互いに、大切な存在だった。



そんなある日、

メイが携帯を片手に、ある話を持ち出した。


この話が、これからの人生を狂わせることになるなんて

このときのミサには想像もできなかった。






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