「…福顔ね。アナタはお金に苦労しないわね。」
いきなり言われたらしい。
出勤途中のコト。
母の同僚の話。
ものすごく高そうな毛皮を着た女の人でね。
もぅ、いきなりよ。
いきなり、人の腕を取ってそう言うのよ。
ビックリしたわよ。
歩いてていきなり。
何か買えって言われるんじゃないかと思ってさぁ。
昨日のコトの様に思い出す、そんな昔の話…
30年くらい前…だな。
いや。
もっと前か…
当時、その同僚氏は御一家でご商売をなさってたのだが、失敗。
母の勤務致しておった会社にパートで勤めだしたんだよな。
娘さんが、めめおの一つ下でさ。
年が近かったコトもあり、`お姉さん´`お姉さん´て懐いてくれてさ…
そんな話を聞いたすぐ後。
その同僚氏の義祖父氏が、交通事故に遭われた。
公的機関のクルマにはねられ、治療の甲斐なく…
不謹慎な話ではあるが、かなりな額の賠償金が支払われた…らしい。
そして、遺産相続。
二束三文にしかならないのよ…
そう言っておった土地を相続。
…が、
その二束三文の土地に鉄道駅が出来るコトになった。
二束三文どころか、驚くほどのお金を手に入れるコトになった。
もぅ、ビックリするほどの札束よ。
初めて見たもん。
いやぁ。
こんなコトになるなんてねぇ…
それまでの生活が一変。
山の上の、眺めの良い一軒家に引っ越し。
良い家…だったな。
グルリと風景を見渡せてさ。
いいなぁ。
いや。
こんな眺めの良い家に、住みたくても住めんもんなぁ…
…が…、
引っ越しが済んですぐ、同僚氏の実母氏が亡くなられた。
一人娘であった同僚氏、実父氏が早くに亡くなられたコトもあり、全てを一人で相続された。
三路線使える駅前。
長屋…とも言っておったが、立地的には申し分ない土地家屋を相続。
やはり、かなりな額の相続をしたらしい。
それ以降、全く交流がなくなってしまった。
もう、働かなくても一生暮らせるもんなぁ。
そう言って、パートは辞められてさ。
預言者って、いるのかねぇ。
母の他の同僚達は、ナニカにつけ高そうな毛皮を着た女の人の話を持ち出し、`アタシにも言ってくれないかしらねぇ。お金に苦労しないって…´なんて話をし合ったらしい。
あれから…
どうしてるんだろ。
母の元同僚氏。
最近、三路線使える駅前の、相続したという場所の近くを通った時、マンションが建てられたのを見てフト思い出した。
高そうな毛皮を着た女の人。
今のめめおを見たら、なんて言うだろ。
「…アナタ、余命…」
いやいやいや。
コワイコワイ。
持って生まれたモノが見えるのか…
だとしたらば、この先のコトを見て欲しいとも思うが、知らぬがホトケな言葉もあるもんなぁ。
元同僚氏。
何を致しておるだろ。
昔々な話を思い出した如月。
梅が満開だぜ![ブーケ1](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/052.gif)
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さて。
この話…
作り話だと思われますか![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160211/13/0aap-paa0/fb/c3/g/o0020002013564125189.gif?caw=800)
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