◇フォト短歌 春雨

4月23日(木)午後2時から、横浜市戸塚区舞岡のかねこふぁ〜むで月一の句会。当日はあいにくの雨天でしたが、会の最初の30分で吟行と二句詠み、それから会がスタートしました。久々の吟行でしたが、景を眺めながら句を詠むのは、いつも自分でやっている方法とは違うので、とても新鮮な気がしました。一人で吟行をしてみるのも良いかもしれません(笑)。で、その日詠み好評だった句を、まず書きます。

 

「春霖の音だけ見ゆる山の畑」幸人

 

帰宅後、詠んだ俳句が私自身も気に入ったのでイメージを残しつつ短歌にしてみました。

 

「春の雨音のみ見ゆる山の畑 坂を降れば紅き番傘」幸貴

 

ほぼ月一で通っている舞岡のかねこふぁ〜むは、私にとってはオアシス的存在。いつも自然に囲まれた中で句会ができる喜びを感じます。

 

◇前回お知らせした独吟 歌仙「淡雪や」が昨日満尾を迎えましたので、本日掲載させていただきます。

 

 

◇独吟 歌仙「淡雪や」                     

       令和八年二月十五日起首

       令和八年四月二十二日満尾

 

発句 淡雪やツルゲーネフの薄き本    春

 脇  池の先には揺るる黄水仙     春

 三 逃げ水を追ひて湖足濡れて     春

 四  三婆揃ひ笑ふ井戸端       雑

 五 勝敗の行方を問はず月明かり    秋月

折端  新走り飲む素面の娘       秋            

折立 朽ち果てし藁屋の下の虫時雨    秋

ウニ  恋の痛手は紅きヒロイン     恋

 三 異世界は雌雄同体愛の国      恋

 四  永遠の別れに想ひ断捨離     恋

 五 忘れたるペンは七色始発駅     雑                    

 六  乗合バスの客は満員       雑        

 七 昼下がり避暑地の宿のひとり酒   夏

 八  夏の夜の月モスラはばたく    夏月

 九 摩天楼地獄天国運次第       雑

 十  宇宙空間翔る隠密        雑

十一 ノクターン流るるラヂオ花明かり  春花

折端  聞きしに勝る蛙合戦       春 

折立 隅田川眺むる手には桜もち     春

 ニ  他国の言葉使ふ若者       雑                    

 三 東京へ向かふ特急指定席      雑           

 四  所在分からぬ首都の黄昏     雑

 五 赤ワイン炬燵の中で絡む脚     冬恋

 六  暖炉の前で告ぐる本心      冬恋

 七 大魔神踊るステージ紙吹雪     雑

 八  沈む世界に悪魔顔出す      雑

 九 アラジンの魔法のランプオイル尽き 雑

 十  町の噂に心ばらばら       雑       

十一 裏鬼門染むる夕月増上寺      秋月           

折端  心変はりは秋刀魚の煙り       秋              

折立 栗羊羹残るは一つグーチョキパー    秋            

 二  海賊船も浮かぶ黒海       雑       

 三 継母の揺れる眼差しわらべうた           雑           

 四  横で子犬が尻尾ふりふり     雑            

 五 花の雨火灯し頃の二年坂      春花        

挙句  植樹祭消ゆる人影        春 

 

*十七季「初心者用歌仙・春」

 

◇独吟後の感想

違う自分の感性に出会えた気がして面白かったです。また、挑戦してみます。

ご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

◇「独吟」のこと

千住連句会で連句を始めて約1年が過ぎました。その間、歌仙一巻を巻くには、私を含めた初心者2名のために連衆6名による「膝送り(順番を決めて詠む)」での進行でしたが、今回満尾を迎えた「春の瀬に」では、初めて「出勝ち(でがち)」で行われました。出勝ちとは、詠む順番を決めずに、できた人から順に句を出し合い、その中から最も良い句を捌きが決めて進める方法。当然、私は初体験だったので、選ばれなくても発句以外、メール対面で残りの全てに投句しました。しかし、ある時に詠んでも選ばれなかった句の存在がとても残念な気がしたので、自分だけの句で一巻巻いてみることにしました。

連句をひとりで一巻全て詠みきることは「独吟」と言います。元々連句は「座の文学」と呼ばれ、他人の句を受けて自分の句を付けるという「他者との交流」が醍醐味ですが、「独吟」はあえてそれを1人で行うわけです。ちょっとへそ曲がりかもしれませんが、私にとっては面白い試みでした。だから、句が選に漏れても受け皿があったので、今回は1粒で2度美味しい思いをいたと言えます(笑)。それで、次回では私の初「独吟」を掲載させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

*写真は新潟県国上山の五合庵

立春になったけれど、まだ寒く梅が咲き始めた2月中旬に始まった歌仙「春の瀬に」が、東京の桜も散ってしまった昨日4月17日(金)満尾を迎えました。今回は私にとっては初めての「出勝ち」だったので、最初は慣れませんでしたが、毎回の作句が徐々に面白くなってきたので、「春の瀬に」だけではなく、自分だけの歌仙も巻くことができました。それは後日載せます。今日は満尾を迎えた歌仙「春の瀬に」を掲載させていただきます。

 

◇歌仙「春の瀬に」の起首は梅の花の咲く頃

 

歌仙「春の瀬に」      捌き/浮良

 

       令和八年二月十五日 起首

       令和八年四月十七日 満尾

 

発句 春の瀬に魚影映して雲渡る     寧美

 脇  抜けしトンネル積みて淡雪    燕泳

 三 初雛の灯り零るる故郷にて     晶子

 四  キラキラネームメダル掲げる   葦生

 五 勝敗の行方を問はず月明かり    幸人

折端  ひとり詰碁の友はどぶろく    浮良

折立 たぎり沸く声かしましく秋露天   晶子

ウニ  AIに聞く恋のウイルス     燕泳

 三 ぼくの右手きみの左手浮く夕陽   々

 四  永遠の別れに想ひ断捨離     幸人

 五 伽藍堂パンダ還りて鐘さみし    寧美

 六  都市鳥はみな番いで来てる    葦生

 七 蝉時雨音だけ降りし無人駅     燕泳 

 八  旅の一座を招く夏月       晶子

 九 オータニさん地球の引力振り切って 葦生

 十  宇宙空間翔る隠密        幸人

十一 花を待ち鼻を啜りて妹あやす    寧美

折端  我が身いと欲し春落葉舞ひ    燕泳 

折立 ふと留まる紙風船に託す夢     々

 ニ  深呼吸して吐くは言霊      葦生

 三 摩天楼地獄天国運次第       幸人

 四  ヒール躓くオニキスの夜     晶子

 五 ダンサーの胸焦らす毛皮チップ置く 晶子

 六  金の切れ目に心凍てつく     葦生

 七 硝煙を嗅いで天狗の鼻高し     々 

 八  きつねつきとか鷲のしわとか   晶子

 九 アラジンの魔法のランプオイル尽き 幸人

 十  島に残した縄文の土器      晶子

十一 裏鬼門染むる夕月増上寺      幸人

折端  あち見こちら見案山子北東に   燕泳

折立 栗羊羹残るは一つグーチョキパー     幸人 

   二  名曲喫茶の眠たげなセロ     燕泳

    三 窓全開今朝も元気だ体操だ     々

 四  行方知らずの猫知りませんか   晶子

 五 散る花にふと見上げたる空の色   寧美

挙句  野焼きのけむり揺らぐことなく  浮良

 

◇満尾は、桜の花も散り終えた頃

 

次回は、一人で巻いた歌仙を掲載させていただきます!

どうぞよろしくお願いいたします。

2026年4月16日(木)今日からフォト俳句に加えて、フォト短歌も始めます。とりあえず私の周囲に写真と短歌を組み合わせて発表している方はいないので、自由にやって行きたいと思います。で、今日は初めの歌なので、気持ちを上げるために題材を「たんぽぽの絮(わた)」としました。

 

「たんぽぽの絮の彼方にヘリコプター 浮かびては下り風のまにまに」幸貴

 

なお、私の俳号は「幸人」ですが、和歌は本名の「幸貴」にいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。