「2次試験問題は、与件文だけでなく設問文にも大事な情報がちりばめられている」
というのは今さら言うまでもない事ですが、それは事例Ⅳにおいても変わりません。
むしろ近年の難易度の上昇に伴って、事例Ⅳではその傾向が顕著に表れているようにすら思えます。
H21年度の問題なんて冷静に読んでみればヒントだらけ。。。
第2問です。
まず「近年の経済のグローバル化に伴って経営環境は不確実性を増している」という一文。
経済のグローバル化というのは、外部環境の中でもマクロ環境の事。
マクロ環境は一般にコントロールすることが出来ないもの。
そして、不確実性が増しているという事は、予測が難しいという事。
その上で、景気が現状維持ならROAは9.7%、
景気が悪くなるならROAは-4.9%になる、
と言っています。
そして、負債の資本コストを4.9%として、設問1ではROEを求めよ、と言っています。
ROE、ROA、負債の資本コスト、と言われれば、1次を学習した方なら
ROE={ROA+(ROA-i)×D/E}(1-t)
という式が思い浮かぶでしょう。
式そのものが思い浮かばなくても、
ROAが負債の資本超コストを上回っている限りは、財務レバレッジを効かせたほうがROEを高めることができる、
という論点は思い浮かぶはずです。
つまり、外部環境はコントロールも出来ないし予測も出来ない状態だから、
ROAが9.7%になるか?-4.9%になるか?は蓋をあけなきゃ分からない。
出たとこ勝負でやって景気が悪くなった場合には、ROAは負債の資本コストを遥かに下回り、
財務レバレッジが逆効果になってしまいます。
それで良いんですか?
と言っている訳です。
その上、設問2で本社(土地と建物)を売却して負債を返済しろ、と言っている訳ですから、
与件文など読まなくても、「財務レバレッジの大きさ」=「負債の大きさ」が問題点である事は明らかです。
第3問はもっと直接的。
「経常利益ベース」で損益分岐点分析をせよ、と言っています。
これまで過去問では「営業利益ベース」でしか損益分岐点分析は出題されませんでしたし、普通は営業利益ベースで行うものです。
それをわざわざ経常利益ベースでやれ、ということは「営業外費用」が論点に決まっています。
(本来こういう決めつけは良くないですが、あくまで“当たり”をつける、という意味で)
営業外費用が大きくなる原因は、普通に考えれば負債が大きいからです。
そして、第3問でも本社(土地と建物)を売却しろ、と言ってます。
このような設問文を読むだけで、与件文を一切読まなくても「負債比率」が問題なのは想像がつきます。
また、「有形固定資産回転率」が問題だろう、という“当たり”もつける事もできます。
他の年度も同様です。
特にH17年度以降は、「第2問以降が第1問で指摘した問題点の解決策になっている」
という設問構造を取っています。
従って、これらの設問を読めば、第一問で指摘すべき問題点を類推できます。
逆に、こういった設問構造を理解せずに解答すると、第2問以降の記述欄に事例企業とは関係ない一般論を書いてしまいます。
はい、今の私の状態です。。。![]()
また、設問そのものに込められている意図も大事だと思います。
H18年の事例企業はなぜCVP分析ではなくキャッシュ・フロー分析なのか?
H19年の事例企業は、なぜキャッシュ・フロー分析ではなくCVP分析なのか?
単に計算が出来るか出来ないか?なんて問うてる訳がありませんよね。
1次試験じゃないんだから。