あがり症にはありがたいことに、おばさんは風景である。
若い頃はジロジロと見られることが、すごく不快だった。
特別かわいいわけでもない私でも若くてキラキラしていたのか
女には敵対視され、男には好機の目で見られていたと思う。
私はおじさんに好かれるタイプだった。
なぜかと聞かれると、たぶん男女共に平等に接していたからだと思う。
おじさん嫌いモードを出していなかったからじゃないかな。
おじさんに好かれる私はおばさんに嫌われる対象だった。
おばさんでも私は話しかけられたら相手の話の腰を折らずに全て聞くので、
話し相手にはもってこいの人物だったと思う。
私のことをよく知ってくれているおばさんには好かれていた。
口も硬いから噂も流さないし何より誠実だ。
若い時の話はここらへんで終わりにして、おばさんになってから
何の害もないのか、本当に楽になった。
ちょっと汚い格好をして出かけても誰も眼中に無いから
私は風景になったんだと思う。
おばさん万歳だ![]()
体はしんどいことが多くなったけど、気持ちは本当に楽である。
ただ、ちょっと寂しいと思うのは夫の眼中にも入らなくなったこと。
お互い無関心に近い。
長年、一緒に住んでたら興味が無くなって当然だと思う。
話してても、その話は前も聞いたな、なんて思うことが増えた。
私も同じ事を話してる自覚がある![]()
そもそも、夫は仕事で忙しいから他に考えることが、たくさんあるんだと思う。
私なんかに構ってる暇はないんだ。
私はおばさんを謳歌したいと思う。
いつ死んでもおかしくない命。
(毎日、鈍い腹痛があって病院にも行かずに放置してる)
何も気にせずに生きていく。
若い子に意地悪するおばさんを私は何人も見てきた。
私はそんなおばさんになりたくない。
寛容なおばさんでいたい。
そして優しい顔をしたおばあさんになる。