5月28日(火)

「刃紋」神山裕右(朝日新聞出版)2024.5.30

力作と言っても良いでしょう。著者は、よく勉強したな、というのが印象。おかげで、読みにくいったらありゃしません。だけれど、段々には慣れてきました。関東大震災での虐殺は、「福田村事件」を観てから、わりと身近の問題になってきています。本書もかなり問題提起されていますが、小説として、書き込み過ぎというか、ストーリーに齟齬とまではいかなくとも、こんなものかとの気持ちはありますが、読みどころ満載に違いありません。覚えておきたい作家です。最年少江戸川乱歩賞受賞者、どうしていたのでしょう今日まで。