日本で一番有名なコピーライターの糸井重里さんです。
今から、20年以上も前に、糸井さんが作った伝説的なキャッチコピーを
あなたは知っていますか?
1984年 作
「 うれしいね、サッちゃん 」 (西武百貨店)
これは西武百貨店というデパートのキャッチコピーです。
このキャッチコピーが意味することを少し考えてみてください。
1984年という時代背景も大きく関係しています。
あなたが1984年当時の西武百貨店の主婦なら・・・
グッと来るという秘密があるのです。
なぜ、このキャッチが購買者層を知り尽くし、そこへ強く訴求した
傑作コピーと言われるのか?
「サッっちゃん」は幸子さんなのです。
まず、消費者の代表である主婦は「幸子」さんだと言い切っています。
なぜ、幸子さんなのか?
まだ、戦後の貧困な時代に生まれ、
親から幸せになるようにと命名された子供たちが
1984年の今は主婦でちょうど購買者層になっている、
という考察のもとに用いられたのだ、と言われています。
つまり、「うれしいね、サッちゃん」とは
「西武百貨店には主婦が嬉しくなるものがたくさんありますよ。
どうぞ、お買い求めください。」
という強い訴求なのです。
どうですか?あなたも深いと思いませんか?
”驚きじゃないですか?”
「時代を考え、お客様層を考え・・・」
私はこのコピーを見た時、
コピーライティングは「相手あってのもの」という事に改めて気付かしてもらえました。
(自分も含め)多くの方は自分の伝えたい事だけを書く傾向にあります・・・。
これから文章を書くときは、
いつも相手ありきという事を覚えていたいものですね。
コピーライター 岡村元紀(おかむら もとき)