初めての美容院では必ず驚かれるほどの剛毛で直毛な私の髪の毛。

初めてパーマをかけた次の日、なにごともなかったかのように真っ直ぐ伸びている髪の毛は、まるで侍のようでした。

そんな髪質なのでパーマは諦めていたのですが、今の技術ならどうにかなるんじゃないかと、人生二度目のパーマをかけに行きました。

「パーマあてたいんです」と言う私に、「髪質的にだいぶ強めにかけないと、ゆるふわっぽくなるよ」と、美容師さん。

「そうなんですかー。でも痛むのも嫌だから普通にしてください」と、私。

ていうか、それだからね。

ゆるふわ。

私がしたいのまさにそれ。

今さら隠すこともないから言うけど、モテたくて必死なの私。

雑誌を見せながら「例えばどんな感じ?」と、美容師さん。

待っている間に隅々まで読み込んで見つけ出した渾身の一枚。

「うーん。あ、こんなのとか?」

ページ数も完璧に把握してたくせに、あたかもパラパラめくってたらたまたま見つけました感を出して指差したのは、もちろんゆるふわ。

「あ、ゆるふわな感じですねー。」

「あ、ゆるふわなんですか?あー、これゆるふわなんだ!」

モテたくて必死だけど、モテたくて必死だなとは思われたくないんです。

だけど、こんな糞みたいな演技をするのもこれが最後。

今の私がすると「必死乙」ってなっちゃう言動も、ゆるふわならそれが自然になるんだから。

「趣味はカフェでスイーツ食べてガールズトークする女子会ですッ☆」とか恥ずかしげもなく言っちゃうんだから。

うさ耳カチューシャの私が目を開けると、目の前にくるくるパーマの知らない人がいました。

誰これ。

え、誰これ。

くるくるすぎて、一瞬トイプードルかと思いました。

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おい、かわいいな。

かわいいなトイプードル。

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きゅんきゅん。

これなら逆に大成功だな。

目の前の人は、私によく似た葉加瀬太郎でした。

馬鹿か。

馬鹿かあいつ。

ゆるふわっつっただろ。

モテたいっつっただろ。

いや、モテたいとは言わなかったけど、ゆるふわな時点で察してくれてもいいじゃないですか。

モテのアイコンが葉加瀬太郎な世界がどこにあるって言うんですか。

高田万由子しかいないじゃないですか。

「髪質的に取れやすいからちょっと強めにかけといたよ」と、美容師さん。

お前の髪の毛一本残らず弦にしてやろうか。

こんな時に何も言えずに帰ってしまう自分が嫌いです。

ハゲるほど、いや、むしろハゲればいいと何回もシャンプーしましたが、今年一番頭皮が綺麗になっただけでした。

今回にかぎらず、みんな美容院でどうやってオーダーしてるんですか?

もう神通力でも使えないと、思いどうりに伝わる事はないんじゃないかと思います。