ある人はそれを奇跡と祈り

ある人はそれを必然と称える

それはまさに選ばれし者の証

それが放つ、目が眩む程の輝きを受けて勇者は目醒めるのだ

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そして勇者は困っています。

理不尽に怒られたとき

普段はあまり交流のない親戚の家に行ったとき

苦手な人にご飯を誘われたとき

どんな場面でもそれなりの表情を作れるようになったのに、当たりアイスを交換してもらう時の顔を忘れてしまった。

この気持ちを例えるならば、初期の魔法を忘れさせて新しい魔法を覚えたのに、あんまり使えない技だったときの気分。

MP食うわりに全然あたんねー。みたいな。

「当たりが出たので交換して下さい」なんて、24歳を目前にした女がどんな顔して言やいいのよ。

それに、当たりの棒をお店まで持っていってレジで渡さなきゃいけないじゃないですか。

それもどうしていいかわかんない。

裸のままじゃ鞄ベタベタになりそうだし、食べた後のものを店員さんに触らせるのも申し訳ない。

それならティッシュに包めばいいのか?

それもちょっと嫌だ。

「後生大事にしてきたこの当たり棒を交換して候。」的な雰囲気にはしたくない。

できれば、「なんかさっきアイス?買って食ってたら当たり?出たからパネェー!っつって?」みたいな、できるだけチャラい感じにしたい。

この気持ちを例えるならば、防御力はめちゃくちゃ上がるけど魔力と運がガクンと下がる防具を手に入れたときの気分。

これは違うな。

これはこんな時あるよねって言いたかっただけ。

こんなに悩むはめになるんだったら、おとなしくモナ王にすればよかった。