お客さんに『ジャンケンで俺が勝ったら俺のほっぺにチュー、俺が負けたらお前のほっぺにチュー』と、私には何のメリットも無い勝負を挑まれました。

彼氏と別れてからチューしたのなんて酔っ払った店の子とだけです。

ただでさえ異性とのチューが神聖化しているのに、今年初めてのチューがお客さんだなんて洒落になりません。

これは是が非でも回避しなくては。

『最初はグー!』と見せかけて『最初から!』とパーを出して勝ってやりました。

お客さんバチ切れ。

私に言わせれば真剣勝負に綺麗も汚いもありません。

勝った奴が勝ちなんです。

そんな主張が通るはずもなく、機嫌を直さないお客さん。

『こんな汚い女初めてやわ』

『次お前ついてもチェンジしたるからな』

暴言の荒らし。

そんなお客さんの横顔を眺めていた私に『お前顔引きつってるけどもう遅いで』とお客さん。

引いてんだよ。

完全に私が後悔していると勘違いしたお客さん。

『大丈夫やって。俺がおらんでも客はおるやん』と満足そうに上から目線の捨て台詞。

そのお客さんのチェック伝票は4千円でした。

キャバクラの伝票としては破格の値段。

捨て伝票。

『俺がおらんでも客はおるやん』

あ、そういう意味か。