16年前。
まだ雪深い新潟で。
元気な産声をあげて。
私達のもとに
私達の子供として産まれてきてくれた。
小さな手は、しっかり握りしめられていて。
小さな口は、教えてもいないのに息してる。
人間ってすごいなぁ~って思ったっけ。
あの感動だけは、忘れん坊の私でも忘れていない。
昨日の夕食は思い出せないのに。
産まれた瞬間の泣き声や真っ赤な顔。
つい、さっきのことのように鮮明に覚えてる。
とても幸せな日。
1年前の今日。
大切な子供達の産まれた日は。
沢山の人の悲しみに覆われた日になってしまった。
お嬢。
坊。
何を感じた?
ママは、色んなことを。
本当に色んなことを思ったよ。
感じたよ。
この日を迎えるたびに。
あなたたちが産まれた意味と。
未来があったはずの人達の無念と。
まだ辛い日々を送らされている人たちの悲しみを。
しっかり胸に刻んでおこう。
人間は強いんだ。
人間はあったかいんだ。
人間は支えあえるんだ。
普通の毎日が送れることを。
愛する人の笑顔が見られることを。
感謝する日にしなきゃね。
お嬢。
坊。
16歳おめでとう。
私を母にしてくれて、ありがとう。
必ず。
笑顔で溢れる日がやってくると信じて。