あなたの知らない事が

この１年１０ヶ月の中で、主人の知らない事がたくさん増えました。

それを自分の頭の中で、ふと考えてました。

待ちに待ってた高速道路が家の近くまで来て開通しました。

指折りそれを楽しみに待っていたのに、開通式の時あなたは居なかった。

有名タレントさんが何人も亡くなり、それどころかあなたが亡くなる一週間前までお見舞いに通ってくれていた、父も亡くなった。

娘２人が結婚し、既にあなたは２人のじぃじなんです。

そして息子は転勤辞令が出て、あなたの知らない地域へ引っ越したよ。

よく行ってたスーパーやコンビニ、思い出のラーメン屋さんが潰れて、代わりにあなたの知らないお店が出来ました。

地震や水害も起き、こちらでもしばらく復旧しない停電を経験して、とても心細い夜を過ごしました。

それからあなたのとても気にしていた家の外装の補修工事、

私一人の切断で動いて無事成し遂げて、終えましたよ。

そしてあなたの前ではもう余裕で２０年以上もハンドルを握る事も無かったこの私が、今ではペーパー脱却して、まさかの運転が唯一の癒しと慰めになっていること。

年号までが変わり新しい時代が来て、こんな、未知なるコロナウイルスと言うものによって、世界中が大変なことになっている事、それによってまさかのオリンピックも延期されたこと。

何より私が、あなたの居ない世界で、１年１０ヶ月もがむしゃらに生きていること…

みーんな知らないんだよね。

こうやって考え始めたら、

私、頑張っているなぁ…って思えて、

そして

あなたの居ない世界を生きているんだと感じてしまい、涙が出ます。

私があなたの年に追い付くまではあと６年半あります。

そこまではまだいい、

あなたがこの世でちゃんと生きていた年齢だから。

でも私、

そこから先はちょっと考えられないぐらい辛いかな…

あなたの居ないこの世の中で、

あなたの知らない５５歳以降の人生を歩むこと、あまりに虚しく悲し過ぎます。

あなたの知らない事がどんどん増えて行ってしまう中で、

既に変わった事だけでも、こうして考えてたら沢山ある事が改めてわかった。

考えてももう仕方ないんだ…

でもあまりに虚しい

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