最近、こんなことがありました。

 《娘さん》が、ある習い事に通いたいと言い始めました。《娘さん》は通うことを楽しみにしていましたが、私が、「習い事に通うんだったら、事前に体験レッスンを受けた方がいいし、開始時間や終了時間、それ以外にも○○、▲▲、▽▽については、確認した方がいいね…」という趣旨の発言をしたところ、閉口してしまいました。

 

 このことについて、後で、《妻さん》から、「先回りして言わない方がいいと思う」、「そういうのは、失敗も含めて、自分で経験すればいいこと」とのコメントをいただきました。私は、《妻さん》のコメントを聴いてとても驚くとともに、自分を省みました。

 

 私は、《妻さん》からコメントをいただくまで、自分が《娘さん》に対して、「良いこと」をしていたとばかり思い込んでいました。

 つまり、今の《娘さん》では気づいていない(だろう)部分を指摘することで、《娘さん》が習い事をスムーズに開始できる、そのような指摘を自分が前もって行うのは、「よいアドバイス」に他ならない、と考えていました。

 

 しかし、《妻さん》のコメントをいただいて、自分の考えを改めました。確かに、《妻さん》の言うとおりです。《娘さん》の人生は、《娘さん》が選んで決めていくものです。それなのに、私が(自らの人生経験を基に)「先回り」して指摘してしまうと、《娘さん》が、自分の人生を生きることができなくなってしまいます。

 

 例えば、「習い事をする上で、どういうことを事前に確認しておいた方がいいのか。」ということも、《娘さん》が自らの経験を通じて学んでいけばよいことです。親である私が「アドバイス」する必要はありません。

 

 だからこそ、まさに《妻さん》が行っているように、《娘さん》の育ちを信頼し、《娘さん》自身が人生を切り拓いていくプロセスを応援していく言動が大事だと感じます。先回りするのではなく、プロセスを尊重する。そうした姿勢を、今後は自分の中で大切にしていきたいと感じました。