猟銃・闘牛  井上靖 新潮文庫初版 昭和25年



ずっと昔から好きだった井上靖の本を、久しぶりに読んでみる。記憶からすると、多分初読の本。


表題2作に加え、比良のシャクナゲ が入る。闘牛は芥川賞受賞作。


個人的には、猟銃が好みかな。3つの手紙によってある男の人生が明らかになるという仕組みなのだが、男・妻・不倫相手の各々の人物の孤独感が強く、伊豆の海がその表象として印象に残る。


闘牛は、ストーリーものとして、もう少し面白く出来たのではないか、という気がする。終戦後すぐ、新聞社が闘牛大会を実施する(井上靖は新聞記者もしていた)という話なのだが、主人公のどこか熱くなりきれない気持が前面で、(だから芥川賞的?) どうなるのか? というワクワク感は少なめ。


古本屋で買ったりしている積読本ばかり増えて本が読めない。これから、さらに読めなくなりそうで嫌だ。


仕事のために本を読むというのは、基本的に嫌なんだよね。


★★★半


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